■第9話の「2つの新情報」が薫への疑いを加速させる
「第2話と第7話で、薫は赤飯を食べて一瞬なんとも言えないリアクションをしたんです。そして第9話のノコルも同様の感じだった。つまりそれは、同じ食環境で育ってきた人の反応だとも考えられます。薫には以前から海外生活が長い説、テントの孤児説もありますが、赤飯がバルカの“何か”の食材、料理に似ているのかもしれませんよね。
今回の赤飯へのリアクションで、ノコルと薫が同じ環境、場所で育ってきた可能性が高まったと言えそうです」
さらに、今回登場した2つの描写からも、薫はテントと関係のある人物――最悪の場合、現在進行形で日本のモニター(工作員)ではないか、と考えられるという。
1つ目は、「証拠映像」だ。
「乃木が別班を裏切って射殺したことになっていた4人の別班メンバーが、実際は日本の病院で治療を受けている“証拠映像”がテントに送られてきました。1人だけ病院外から窓をズームして撮っている動画でしたが、残る3人は病院内でおそらく隠し撮りをして記録されていた。
そして、注目すべきは、映像に映っている“撮影時刻”です」
撮影されたのは4月22日。病院内の映像は、それぞれ午前9時13分、午前10時2分、10時17分に撮られている。
「一般人がお見舞いで病院を訪れる際は、午前中は検査や治療などが行なわれることが多いため、避ける場合が多いですよね。お昼過ぎ、午後からしか面会が許されていない病院の方が一般的でもあります。
午前中のさらに9時台に患者、病院関係者ではない人が院内を歩いていたら、目立って怪しまれる可能性も高いですよね。しかも、撮影する相手は、傷ついていても超一流の工作員で警戒心が強い別班メンバーです。
逆に言えば、この映像を撮ったのは病院内を午前中の早い時間に歩き回っても、誰も不思議に思わない存在――つまり、病院関係者だと考えられる。浮上するのは医師の薫ですよね……」
2つ目は、バルカで乃木を助けた少女・ジャミーンの父親で、第1話で死亡したアディエル(ツァスチヘル・ハタンゾリグ)についての新事実だ。
薫はジャミーンを看病する理由について「父であるアディエルと婚約していたから」と警視庁公安部の野崎守(阿部寛/59)に説明していたが、アディエルの死を悲しむ素振りはなく、第3話にて、実は婚約の話は逃亡劇の際にジャミーンの看病を野崎に受け入れてもらうためのウソだった、とカミングアウトしていた。
しかし、ジャミーンの看病で家を訪れていたことからも、関係が近いことは間違いないだろう。