■堺雅人が「リアルタイム視聴」に挑戦した作品とは⁉

 これは『リーガル・ハイ』(フジテレビ系)のことだ。第一期が2012年に放送され、翌13年第二期が放送された。同ドラマについて、エンタメ誌ライターが振り返る。

「偏屈な古美門研介(堺)と、融通の利かない黛真知子(新垣結衣)の凸凹コンビが繰り広げる“リーガルコメディ”ドラマで、毎回堺さんの長ゼリフがあるんですが、これがとにかく早口なんです。

 とんでもない量のセリフをペラペラと流暢にまくし立てる堺さんに、“早口でいっぱいしゃべるけど滑舌よくて聞きやすく、テンポも動きも面白くて楽しい”など、惹きつけられる視聴者が続出しました。ちなみに堺さんは、昔からセリフを噛むとか、間違えるといったことでNGを出すことがほとんどないそうですよ」

 ただ長いセリフの早口というだけでなく、きちんと“聞き取れる”発話力、かつ同時に見せる表情の豊かさは高い評価を得たが、《堺雅人の早口ギリギリ聞き取れる速さだわ》という声も視聴者からは上がっていたように、“ギリギリ聞き取れる”のは堺の狙い通りだったというわけだ。

『日曜天国』で堺は、「あれは絶対時短で見られてたまるものかと思って」と、当時胸にあった思いを述懐。

 そのうえで『VIVANT』について、「これはリアルタイムで見たほうが絶対に面白いじゃないですか。いろんな感情が入ってくるし、裏の裏の裏までひょっとしたら作ってるかもしれないし……。だから、リアルタイムで見てくださってる方がいるっていうのが嬉しい」と、“ドラマを生で見て欲しい”という強い思いを明かした。

 番組では、堺のように早く日本語を話せる人に嫉妬心があるという安住アナに対し、「倍速で聞くやつらに挑戦状を叩きつけて……」と笑いを誘っていた堺。60分超えの放送回も多い『VIVANT』だが、その長さを気にさせない秘訣には、堺のセリフ回しが持つ吸引力もありそうだ。そして、その堺が今の全力をぶつけた『VIVANT』最終回が、9月17日夜9時から“79分SP”で放送される――。