■テレ朝ドラマ成功の方程式
さらに、《和尚こそアビゲイル創始の聖女・展子を守った人間で、アビゲイルの狙いはハヤブサで立木彩を聖女として復活させること》《儀式で彩は殺されてしまう予定で、火で燃やされるとかで、それで神格化されて聖母にする予定。それを和尚は知ってて、消防団と皆で火消しに行って阻止する》など、考察が過熱している。
この考察熱が視聴率の数字を押し上げていて、若者層が多い配信サービス・TVerでも、お気に入り登録が100万超えと好調。今期ドラマでは『VIVANT』(TBS系、日曜夜9時)が一強だが、視聴者の声にもあるように、ジワジワと謎が絡んでいく『ハヤブサ消防団』への支持も多い。
「最高視聴率が14.9%の『VIVANT』はケタ違いで(第9話まで)、『ハヤブサ消防団』の10%台でも十分に成功と言えます。テレビ朝日的にうれしいのは、4月期放送の『unknown』に続き、考察が盛り上がる展開にすれば数字が稼げるという法則を確立したこと。同局は医療、刑事モノに依存しがちでしたが、これで新機軸に進めるでしょう」(ドラマライター/ヤマカワ)
医療と刑事はテレビ朝日系ドラマの2本柱だが、人気シリーズも長く続きすぎ、マンネリ化が進んでいたのは事実。近年は新たな視聴者層を獲得しようと、ラブ・サスペンス『unknown』のような、今までにないタイプのドラマをGP帯でやり始めた。それが実を結んできたようだ。
「同局系のドル箱『相棒』のシーズン22が10月から始まりますが、前シーズンに寺脇康文(61)が約14年ぶりに復活。今回が2シーズン目になるということもあって、そろそろシリーズ完結を予感させるという声も多いんです。主演の水谷豊(71)の年齢を考えても、先はそう長くはないと思われますし、『相棒』以降を考えると今作がヒットした意味は大きいです」(前同)
テレビ朝日系ドラマの新たな時代の幕開けとなりそうな本作。今期ドラマの王者『VIVANT』に負けても、十分に成功のようだ。