■ヒロインはSNS界隈ではすでに人気者
次に、仮面ライダーに欠かせないヒロインの存在も、見逃せない。本作のメインヒロインにして、もう一人の主人公である九堂りんねを演じるのは、松本麗世(まつもと・れいよ)。
松本は、まだ15歳で演技経験も少ないがファッション誌『Seventeen』(集英社)の専属モデルであり、総勢2971名の中から『ミスセブンティーン2023』に選出されるほどのビジュアルを持ち合わせており、SNS方面では『ガッチャード』に抜擢される前からインスタグラムのフォロワー数15万人、TikTokのフォロワー数2万人を誇る人気モデルだった。
9月16日現在はインスタが20.5万人、TikTokが75万人までフォロワー数を伸ばしており、これからもこの数字は伸びていくことだろう。
素の松本に比べてりんねは気が強く、自分の言葉をちゃんと伝えることができる成績優秀な女子高生。演じるうえで「力強さ」を出すのに苦戦しているらしく、
《米倉涼子さんの「ドクターX ~外科医・大門未知子~」での「私、失敗しないので」のセリフが大好きで。しかも、米倉さんご自身も力強い女性で、すごく尊敬しています。りんねとしても、学ぶべきところもあると感じています》
と、9月10日の『シネマトゥデイ』にて明かしている。演技も、米倉を意識しているそうだ。松本いわく自分のチャームポイントは「バキッと強い」目力とのことなので、マスクで顔半分が隠れていてもバリバリのオーラを出せる米倉をぜひ目指して欲しい。『仮面ライダー』は目力の強さを要求されるシーンが男女問わず多いため、きっと辿り着けるはずだ。
そんな新進気鋭の主演とヒロインだが、失礼を承知で書くと現時点での演技力は、そこまで高くない。近年では『ゼロワン』(2019年)の高橋文哉(22)や『ギーツ』の簡秀吉(20)など、初期からそれなりに演技が上手い主演が多かったため、余計にそう感じるのかもしれない。
《ガッチャード、若手メインキャストの演技クオリティが1話って感じでいいな、最近皆最初からわりと上手かったから》
《普段演技とか気にならない私でさえ皆さんの言う通り棒読み演技があまりにも気になるけど……….笑》
といった厳しい声もSNSには寄せられているが、未熟で初々しい感じはそれぞれのキャラクターの雰囲気に合ってはいるし、何よりも『仮面ライダー』は役者の成長ぶりが凄まじい現場として知られている。
代表例では『仮面ライダードライブ』(2014年)の主演だった竹内涼真(30)や、『仮面ライダーアギト』(2001年)の2号ライダーだった要潤(42)は現在からは想像もつかないレベルで演技が下手で、特に要は「下手すぎてシーンをお蔵入りにされた」というエピソードまであることで知られている。しかし、最終回を迎えるころには、別人級の演技力を身に着け、すっかり“役者”になっていた。
すでに錬金術師の制服などはコスプレ感もなくしっかり着こなしている本島と松本。役者同士で切磋琢磨すれば、演技の上達も早いだろう。主題歌のタイトル通り、2人の『CHEMY×STORY』(ケミストリー/化学反応の意)に期待したい―――。