■真のヒロインは綾・佐久間由衣だった!?
万太郎(神木)の姉というサブキャラにもかかわらず、主人公に迫る支持を受けた綾(佐久間)。それは、綾がたどってきた人生への支持だという――。
「これまでの朝ドラの主人公は、苦難の人生を歩んだ末に幸せを掴むのが王道でした。それに比べ、今回の主人公の万太郎と寿恵子は、貧困や大学での嫌がらせがあったものの、人生が破滅しそうな苦難は経験していません。その代わりを担ったのが綾だったのです」(テレビ誌ライター)
確かに、蔵人・幸吉(笠松将/30)との失恋。酒蔵では古くからの風習と男女差別に悩まされ、さらに、家業を背負い奮闘するも、政府に翻弄されて酒蔵を廃業と、綾の人生は苦労続き。最後に竹雄(志尊)と結ばれて新たな人生に歩みだすという、まさに王道の朝ドラヒロインのような人生を送ってきた。
「だからこそ、綾はここまで支持を受けたのでしょう。寿恵子のような明るいキャラは魅力的ですが、やはり、苦難があってこその朝ドラです。綾は苦労の多い人生にも負けず、夢を諦めない……ある意味で今作のヒロインは綾だったと言えるでしょう」(前同)
もちろんメインのヒロインは寿恵子なのだが、綾がいなかったら、『らんまん』はここまで人気とはならなかっただろう。残すところ2週の『らんまん』。どんな最後を迎えるのか、しっかり見届けたい。