■「尾行が下手なポンコツ」も実はわざとだった

 同じく第2話では乃木が1億ドル(140億円)を誤送金してしまったことを説明した際、事情を知らなかった医師の柚木薫(二階堂ふみ/28)が「1億ドルってことは……140億円!?」とオーバーリアクションで驚いたのに対して新庄の「うーわっヤバすぎ!」という台詞は、妙に軽い口調だった。これについては《今のところ緊張感ゼロ大賞だな》という声もあったが、新庄がテント側の人間なら金額に驚かないのも当然だ。

《モニターだから、知ってたんじゃんテントの資金源は誤送金。》
《おい新庄、テントモニターとして知ってて演技やん見直すとオモロイね》

 と、合点がいった視聴者も多い。

 ちなみに、第2話では「バルカ政府の公用車ナンバーはすべて把握しています。公安として当然です」という新庄の発言に薫は「あなたも(野崎と同じ)スパイだったの?」と返しているが、これも“新庄の正体を匂わせた演出だったのでは?”と考える声もある。

「次に、第4話と第6話での“尾行に失敗する”の描写です。前者はテントのモニター・山本巧(迫田孝也/46)を、後者は乃木を別班だとほぼ確信している野崎の指示で乃木を尾行し、どちらも新庄は失敗していました。これにより“新庄は尾行がヘタクソ”みたいな扱いを、視聴者どころか半ば公式からもネタにされていましたが、実は意図的なものだったことを福澤監督が明かしたんです」

 最終話と同日の17日に行なわれたファンミーティングにて福澤監督は、新庄の尾行下手が界隈でネタにされていることに触れて、「失敗の1つはわざと」と、視聴者にヒントを与えていた。

 テントを探る邪魔な存在である乃木と、同じテントのモニターでこのままだと逮捕されてしまう山本――どちらの尾行をわざと失敗したか、考えるまでもないだろう。

《新庄がテントだとしたら、テント山本の尾行を撒かれたと見せかけてわざと逃がしたということだったのね》
《乃木の尾行には成功した方がテントのためじゃない?あれでテントの話し合いの場が特定されちゃったんだし。テントのモニターなのに乃木の尾行をわざと失敗する理由ってあるの?》
《モニターの山本をモニターの新庄が尾行してたの笑う最終的に山本に撒かれたけど、同じモニターだったから新庄が逃してあげたと思ったらそこにも伏線があって驚いた》

 と、腑に落ちた視聴者の声がSNSにも多く寄せられている。

 なお、乃木の尾行は事前に目的地が「協力者になったハッカー・ブルーウォーカーこと太田梨歩(飯沼愛/20)を匿っているアパート」だと野崎に見透かされていていた。それを見切っていた乃木は「表向きの太田の部屋」と「作業用の機材のある部屋」の2部屋を借りて公安を欺いていたが、ここで新庄が捜査令状がないのに「すぐに踏み込みます!」と言い出した同場面で“『モニター』と書かれたインターホンのカメラに新庄の顔が映っている”という演出があったことから、

《そうか… 新庄さんが、公安の捜査会議のとき乃木さんの別班疑惑について妙に食い下がってたのも、ブルーウォーカーの潜伏先で別班の動きを暴くことに拘ったりしてたのも、「テントのモニターだから」であれば納得ゆくな、なるほど…》
《それにしても、過去話で新庄がインターホンに映ってるときにパネルにモニターって書いてて新庄モニターって考察してた人スゲーな》

 といった声もある。