■松村さんが考える『どうする家康』に込められた意味

松村邦洋さん

ーー松村さんは、『どうする家康』というタイトルにどういう意味が込められていると思いますか?

 家康はやっぱり周囲の人を大事にして、どんどん大きくなっていったんじゃないですかね。後からこう外から来た人たち、そういうのが秀吉もいますけど、身内がいなくて、弟の秀長だけですよ。成り上がりで来たわけだし、身内がいなくて、秀長っていう注意してくれる人がいるからよかったんですよ。でも、秀長が死んじゃったら、あとはイエスマンばっかり。「どうする」って聞かれても、怒られたくないからあんまり何も言えない。

 秀長は秀吉と兄弟仲悪くなってギクシャクしても、失うものがないから、夢を追う秀吉のために何回も何回も注意して動いてくれてたんですよ。だけど、だんだん「ノー」と言えない人たちばかりに囲まれるようになって、秀吉は裸の王様になっちゃった。唯一、助言してくれるのは黒田官兵衛だったけど、やっぱり仕事上のお付き合いです。本当に身内の、一番の信用できる秀長のアドバイスが無くなったからおかしくなっちゃった。