■東山紀之新社長は「忖度は必要ない」と明言したが……

 前出の女性誌ライターは話す。

「近年では過去映像が使われる頻度も増えましたが、SMAPは2016年末に解散してから、不自然に音楽番組で過去映像が使われなかったり、『90年代リバイバルソングランキング』などSMAPの曲が入っていないと違和感のあるランキング企画でもランクインしていなかったりといった出来事が多かった。

 2019年に公正取引委員会が“『新しい地図』の3人を出演させないようにテレビ局に圧力をかけている”という疑いでジャニーズ事務所に注意喚起を行ないましたが、現在も“忖度”は根強く続いていますよね。

 それだけに、今回“解禁”という言葉を使ったのは、タイミングが非常に悪かったと言えるかもしれません……」

 ジャニーズ事務所は今、創業者であるジャニー喜多川氏(享年87)が行なっていた所属タレントへの加害をめぐり、過去に例を見ない危機に陥っている。

 9月7日に都内で行なわれた会見では、「今でも忖度が続いていると考えられる。退所したタレントが活躍できない状況があると思う。こうした忖度は続けるべきかと思うか。妨害しないことを明言できるか」という記者の質問に東山紀之新社長(56)は、

「(忖度は)必要ないと思っています。忖度とか関係なく、公平に行くべきだと僕自身も思っています」

 と、コメント。

 ジャニーズアイランド社長の井ノ原快彦(47)は、

「“(スタッフに)なんで? それ、変えようよ”っていうのは毎日言っています。だから“忖度なくします”って言っても、急になくなるものじゃないと思うんですよ。忖度って日本にはびこっているから。これをなくすのは本当に大変だと思います。だから皆さんの問題でもあると、一緒に考えていく問題でもあると思いますから、そこらへんはご協力をいただいたほうがいいと思います」

 と、テレビ界を中心に強い忖度が根づいている現状を問題視していた。

「ジャニーズ事務所が危機に陥り、急激にパワーダウンしているこのタイミングでSMAPの映像を“解禁”としたことで、“勝手に忖度して封印していたのに、この状況になったから映像を使って解禁なんて言いやがって!”という感じにファンの感情を逆撫でしてしまったのでしょうね。番組のコンセプトを考えると特別に変な演出ではありませんでしたが、ただただ間が悪かったですね……」(前同)

 テレビでよくある煽り文句が、思わぬ火種となってしまった――。