■過去にはスーパーのお総菜コーナーにある“アレ”も模型化していて

 なかなか商品化されないモノを率先して商品化するのがアオシマの真骨頂。会社として、そのあたりの気概などはあるのだろうか。

「5年前にバニラ宣伝カーの商品化に携わったスタッフはすでに退職しています。当時、どのようなやり取りがあったのか詳細はわかりません。ただ、先方の企業さんに企画をお伝えした際に、弊社の企画に対して、“そんなもの売れるはずがない。やめたほうがいい”とド直球に言われることは結構あります(笑)。

 近年ですと22年1月に発売した『スーパーサウンド呼び込み君ミニ』が良い例です。こちらのベースになっているのは、スーパーにある総菜売り場などで、販売促進するための自動音声再生装置。話題にはなりましたが、売れ行きは……。

*画像はアオシマ online shop公式X(ツイッター)『@aoshimatsu_han』より

 でも弊社の場合、どんなに尖った企画であっても、おもしろそうならやってみよう、というのが昔からの社風なんです。他の模型会社さんとは違う“アオシマらしさ”をお客様に楽しんでいただくのが第一ですから」(前出のPRチーム担当者)

 今回のバニラ宣伝カーの初回生産は数千個を予定しているそう。発売は5か月ほど先だが、すでに反響は予想以上にあるという。

「ありがたいことに予約はたくさんいただいておりますが、話題になった分だけ売れるとは限りません。今回のバニラ宣伝カーでアオシマを知っていただいた方がいらっしゃるのなら、ぜひ一度、手に取っていただければと思います」(前同)

 頭の中で「バ~ニラ!バニラ 高収入♪」がリフレインしてる人、欲しくなってきました?

青島文化教材社
1924年に青嶋次郎が前身となる「青嶋飛行機研究所」を静岡市に設立。1961年に、社名が現在の青島文化教材社に。70年代に発売した合体シリーズが大ヒット。さらにデコトラシリーズやスーパーカーなど、のちにロングセラーとなる人気商品を生み出した。現在は、乗用車やトラックなどの自動車モデル、精密な艦船模型のプラモデルなどを中心に、ミニカーやフィギュアなどの完成品も製作販売している