「本当に僕の地声で大丈夫なのかっていう不安があります」

 9月26日放送のラジオ『パンサー向井の#ふらっと』(TBS系)でそう話したのは、元力士で俳優の富栄ドラム(31)だ。

 富栄は、9月17日に最終回を迎えた堺雅人(49)主演の連続ドラマ『VIVANT』(TBS系)にて、警視庁公安部の野崎守(阿部寛/59)のパートナー・ドラム役に抜擢されたこと、“常に愛嬌のある笑顔を浮かべてスマホアプリ(声:林原めぐみ)で話す”という設定を番宣活動でも貫き、3か月の間、素の声を完全に封印していたことで知られている。

『VIVANT』は、架空の国・バルカ共和国と日本を舞台に、自衛隊の影の諜報組織「別班」の一員である乃木憂助(堺)を主人公に描かれるオリジナルドラマ。『半沢直樹』で演出を務めたTBSの福澤克雄氏が原作・監督を手掛けた。

「当初はエキストラとしてオーディションを受けた富栄さんでしたが、福澤監督が気に入ったことで、主要キャラのドラムに抜擢されました。

 役者キャリアの浅さによる発声の拙さや、そもそも声質のイメージがビジュアルと合わないといった問題点を福澤監督が逆手にとり、スマホアプリで話す設定を取り入れた結果、これが視聴者に“可愛い”と大ウケでしたよね」(テレビ誌編集者)

 富栄は、ナガノ氏による漫画作品『ちいかわ』や、演者全員が終始無言で演じているイギリスのコメディドラマ『Mr.ビーン』を参考にしたことを『#ふらっと』で明かしている。今後の役者業は、

「いろいろチャンスを与えていただけるんで、これと決めずに与えられたことを全力でやれば、今回みたいに自分では気づかなかった一面をほめてもらえるようになると思ってるんで、とりあえず目の前のことを一生懸命やりたいなと思います」

 と、熱く語っていたが――。

「もちろん応援する人は多いですが、富栄さんは今後、非常に苦労するでしょうね……」

 芸能プロ関係者はそう分析する。