■“脱”ドラムのハードルは非常に高い

「最大の問題は当然、ドラムのインパクトがあまりにも強すぎることです。本人もセリフがない代わりに表情などでしっかりと演じたことで、唯一無二の存在感を放つキャラクターへと昇華しましたが、逆に言うと、今後ずっとどんなキャラを演じても“ドラム”のイメージが抜けない可能性が非常に高い。

 それこそ、『VIVANT』の主演である堺さんも通った道です」(前出の芸能プロ関係者=以下同)

 堺は2013年放送の『半沢直樹』(TBS系)が社会現象を巻き起こしたが、『半沢』のイメージが強くつきすぎることを嫌い、続編の出演には難色を示していると言われてきた。

「シリーズ化していて、特にキャラを象徴する決めゼリフがある作品を持つ俳優に、似た話は多いですよね。米倉涼子さん(48)は“私、失敗しないので”が決め文句の『ドクターX』(テレビ朝日系)のシリーズ化に難色を示していたといいますし、福山雅治さん(54)も『ガリレオ』(フジテレビ系)が不定期に映画シリーズで続いている影響で、いつまでも“実に面白い”のイメージから脱却できずに苦労している、という話も聞こえてきています。

『半沢直樹』、『ドクターX』、『ガリレオ』はいずれももの凄い超ヒット作。そんな作品の主演を務めた3人は本当に凄いですのですが、その怪物級作品の“弊害”もあるということですよね。

 キャラのパターンが固定されていて“キムタクは何やってもキムタク”と言われる木村拓哉さん(50)も、似た例かもしれません」

 加えて富栄の場合、『VIVANT』放送中は役のイメージを崩さないために番宣でも“素の富栄ドラム”は完全封印していた。今回のラジオで聞こえた関西弁交じりの爽やか寄りの声に、違和感を覚えた人も多いだろう。

「それだけに今後、“富栄ドラム”として、一般ドラマや映画で芝居をするのは非常にハードルが高いですよね。どんな役を演じても“『VIVANT』のドラム”がチラついてしまうわけで……。

 さらに問題になってくるのは、『VIVANT』はまだまだ終わらないということです」

 本編が完結した『VIVANT』だが、イベントはまだ続く。

※画像は日曜劇場『VIVANT』公式X(ツイッター)『@TBS_VIVANT』より

 たとえば、島根県内のロケ地を巡るツアーを大手旅行会社が企画していて、10月27日、31日にそれぞれ3日間の『福澤監督とドラムと巡るVIVANTドラマロケ地&島根県満喫ツアー』が控えている。