■ドラマ新枠が乱立ですでに飽和状態
前出の制作会社関係者は続ける。
「同じ考察系ドラマでは、『VIVANT』が大ブームを起こしたことに加え、『最高の教師』や『ハヤブサ消防団』もかなり盛り上がっていたので、『何曜日に生まれたの』にとっては、その点はキツかったでしょうね。1週間に何本も、エネルギーを使う連ドラを観るのはしんどいですもんね。
しかも、『VIVANT』は拡大SPも多かったため、『何曜日に生まれたの』の第2話(8月13日)、第5話(9月10日)、第7話(9月24日)は裏被りしていた。これも、視聴率が伸びなかった原因でしょうね。
そして、おそらく最大の要因が、『何曜日に生まれたの』の放送枠が新設されたばかりのため、視聴者に浸透しておらず、そもそも放送しているのを知らない人も多いことだと考えられます」
『何曜日に生まれたの』が放送されていることが認識されていない――それにもつながるが、爆死のもう1つの理由は、“ドラマ新枠の乱立”だと考えられている。昨今のテレビ業界はドラマ枠の新設が相次いでいるが、『何曜日に生まれたの』の放送枠も今年新設された枠。
前クールの清野菜名(28)主演の連続ドラマ『日曜の夜ぐらいは…』が第1弾だったが、こちらも最終回(7月2日放送)が世帯視聴率3.8%、コア視聴率0.9%と、『何曜日に生まれたの』と変わらない爆死数字だった。
民放キー局関係者が話す。
「まず、ドラマ枠が増えている理由は、現在のテレビ不況にあります。バラエティ番組が急速にパワーを失うなか、連ドラは比較的好調で、まだスポンサー企業がCMを入れてくれるんです。バラエティ番組は視聴率が良くても、CMが入らないといいますね。
さらにドラマはTVerや自社の配信コンテンツの二次利用でも稼げる、テレビ業界にとって最後の希望とも言える。そのため、各局がこぞって新枠をスタートさせているんですが……乱立しすぎて裏被りも多く、すでに飽和状態になりつつあるんです」
フジテレビ系は4月から火曜午後11時に『火ドラ★イレブン』枠を新設し、10月からは『金曜9時枠』もドラマに。
また、日本テレビは1991年以降、毎週水曜日の午後10時に『水曜ドラマ』を放送していたが、フジテレビは2022年4月から裏被りを承知で2016年放送の『フラジャイル』以来、6年ぶり通算3度目となる水10のドラマ枠を復活させている。