■日テレドラマには「勝てる」と踏んだ進出だったが数字では惨敗

 前出の民放キー局関係者は続ける。

「テレ朝の『何曜日に生まれたの』が放送されている“日曜午後10時枠”も、午後10時30分スタートの日本テレビ系列の『日曜ドラマ』と競合しています。これはそこしか、勝負できる枠が空いていなかったから、といいますね。

 日本テレビ系列の『日曜ドラマ』はスベることもよくあり、特に読売テレビが制作した2022年7月クールのKing&Prince永瀬廉さん(24)主演の『新・信長公記〜クラスメイトは戦国武将〜』などは、非常に数字が悪かった。

 そのため、テレ朝及び朝日放送サイドは、“この枠ならイケる、勝てる”と踏んだようですが、現状は、日テレドラマにボロ負けしていますよね」

『日曜10時枠』の企画・プロデュースを務めるテレ朝の清水一幸氏(50)は、「ずっと力を入れて見なきゃいけないドラマにはしないように」を枠のコンセプトにしていること、ラブストーリーや学園ものの構想もあるが、基本は会話中心に仕立て「自分の中では、医療ものや刑事もの、弁護士ものはやらないと思っている」と独自路線を意識していることを、5月22日の『日刊スポーツ』の取材で明かしている。

「『何曜日に生まれたの』も、前クールの『日曜の夜ぐらいは…』もそうでしたが、派手な感じはなく、日常を舞台にしたリアルな会話劇が好きな人にはマッチしている枠だとは思います。映画で言うとメジャー作品より単館作品のような……エンタメ色全開ではなく、落ち着いて観てもらいたいという思いもあるといいますね」(前同)

 しかし、コンセプトが明確であることは、逆に言えばターゲットを絞りすぎている、ということでもある。

「ドラマは“普段ドラマを見ない人”が興味を持ってくれないと、視聴率は稼ぎづらい。だからこそ、“人気の漫画や小説”を原作にしたり、ファンが多いジャニーズやイケメン俳優の起用を前提にしたり、普遍的なニーズのある恋愛・刑事・医療などのジャンルが良くも悪くも重宝されがちなわけで……。

 ドラマ好きな人以外にも興味を持ってもらえるようなコンセプトでないと、作品評価はともかく視聴率は厳しいかもしれませんね」(同)

“ドラマ好き”からの評判は悪くない『何曜日に生まれたの』及び、朝日放送が制作する日曜10時枠。しかし、課題は山積みのようだ。