■“無理やり大団円”の『ちむどん』と“2人に絞った”『らんまん』
「『らんまん』と『ちむどんどん』の最終回を比べると、もう絶望的に差が大きくて……脚本も演出もアレでしたが、まず演出面のクオリティの時点で、天と地の差が指摘されています」
【以下、『らんまん』最終回のネタバレを含みます】
『ちむどんどん』も『らんまん』も、神木や浜辺ら20代~30代の若い役者が終盤の老後のシーンを演じるにあたり老けメイクをしているが、
《本作出演者の「老けメイク」は、容易に受け入れられたが…「ちむどんどん」最終回の出演者「老けメイク」は、子供の学芸会にしか見えず、失笑してしまった。何故、こんなにも差があるのだろうか?》
《すえちゃんの老けメイクはやりすぎず自然で、老け演技も声のトーン落としてゆったりとしてとても良かった。60代なのでそこまで不自然に老ける必要ないもんね。いやちむどんの老けメイク、演技ともにアレだったな(笑)》
と、細かい演出以前の部分ですでに差がついてる。
また、脚本の点でも大きな開きがある、という指摘がある。
まず、『ちむどんどん』の最終回は、
“主人公・暢子の妹である歌子(上白石萌歌/23)が熱を出し危篤になってしまう。
そして、歌子の無事を暢子が海で祈ったと思ったら急に40年後の『202X(令和X年)』に場面が飛び、雑な老けメイクを施したこれまでの登場人物が総出演し、『暢子のやんばるちむどんどんは大繁盛。今日も料理三昧の日々を送っています』とナレーション(ジョン・カビラ)が説明する”
という、「とりあえず王道ぽい大団円にしました」感が拭えないものだったうえ、入院中の歌子が危篤とは思えないくらい血色が良く、血圧計の向きを間違えているという有様だったこともあり、最終回も例に漏れずツッコミが殺到していた。
対して、『らんまん』の最終回は、視聴者人気の非常に高かった竹雄(志尊淳/28)と綾(佐久間由衣/28)は冒頭に5分ほど出番があったが、残る10分は万太郎と寿恵子の夫婦だけにフォーカスし、ほかの登場人物の再登場は無し。
回想シーンは2人の思い出しかなく、完成した植物図鑑に刻まれている、これまで協力してくれた人の名前が1人ずつ映るシーンでさえ、病死した娘・園子(斎藤羽結/2)以外の回想シーンがない徹底ぶりだった。