■山中には驚きのペットボトルが捨てられ……
5合目にある『こみたけ売店』の社長である小佐野昇一さんも、外国人観光客の増加は実感しているという。
「コロナ禍の時期と比べると確かに増えています。弊社がインバウンド需要に力を入れているということもあり、来店される方も半分は外国人の方でしょうか。富士山のマグネットなどを手に取る方が多い印象ですね。
閉山後にバリケードを越えて山を登っていく観光客の方を私は見かけたことはありません。ただ、事故が起きれば人命救助を行なう方も命懸けですし、大変なことにならなければ良いなとニュースを見て思いました」
観光客の増加も相まってか、迷惑行為も起きていると、前出の山梨県の担当職員は明かす。
「山中ではペットボトルやお菓子、食料品のゴミのポイ捨ても増えています。中には排泄物が入ったペットボトルを捨てていく人も……。
閉山後は5合目より上の山小屋や管理センターは閉鎖されるので、観光客用のトイレは使用できません。とはいえ、世界遺産に排泄物を置いていくというのはモラル的な観点からいかがなものかと思います」
また、外国人観光客による迷惑行為を前出の地元住民は目撃したという。
「外国人実習生のグループが、山小屋の近くで焚き火をしているのを目にしました。もし火が飛び移ったら一大事。何を考えているんだか……」
世界遺産ともなり、観光名所としてさらに名を挙げた富士山。コロナ禍が落ち着き、オンシーズンに賑わうのは大いに結構なことだが、くれぐれもルールを守って登山していただきたい。