■未来の総理候補もターゲットに
「ブライダルまさこ」なんとも優雅な響きである。優雅な時を過ごしすぎて、ネット上で袋叩きにあったケースも。
「自民党の松川るい参院議員(52)です。8月27日に自民党女性局の海外研修先であるパリから、自身のX(ツイッター)に写真を投稿。エッフェル塔前で両手を頭上で合わせ、塔を模したポーズをとったおどけ姿が、国民感情を逆なで。“エッフェル姉さん”と呼ばれる羽目に」(前出の中川氏)
このあだ名がこたえたのか、松川氏はXへと投稿した当該写真を即座に削除している。
ネット文化が広まる前には、海を越えてあだ名を付けられた総理経験者も。
「1964年続いた昭和から元号が平成へと変わったタイミングで、官房長官として新元号を発表したことから国内では“平成おじさん”の愛称で親しまれた小渕恵三元総理(享年62)です。しかし、1998年の総理就任後には、ニューヨーク・タイムズ誌に“冷めたピザ”と命名されてしまいます」(前同)
すると、「冷めたピザ」はこの年の流行語に。しかし当の本人は、海を越えて命名された不愉快なあだ名も意に介さなかったご様子。のちに小渕を「冷めたピザ」と形容した、日本政治を専門とするジョン・ニューファーと出会った際には「冷めたピザ」の意味を直接尋ね、その率直な人柄でニューファーを驚かせている。
過去に限らず、未来の総理候補の最右翼と称される人物もネット上で批評の対象に。
「河野太郎デジタル担当大臣(60)です。異論を挟む者をX(ツイッター)では直ぐにブロックすることから“ブロック太郎”のあだ名が定着。総理に就任した暁には国会の場でも反対意見を述べる人に“ブロックです”と一言述べて欲しい」(同)
個々の政治家が持つ政治信条は十人十色。ただし、政治家につけられるあだ名は、ネガティブ一択のようだ。
中川淳一郎
1973年東京都生まれ。ネットニュース編集者。一橋大学を卒業後、博報堂で大手外資系企業のPR業務などに携わり、2001年に退社。雑誌のライター、「TVブロス」編集者などを経て、2020年からは佐賀県唐津市に在住。代表作は『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社)。