■考察いらずの面白さ

 また、ドラマの後半、RYOが喉を痛めていることを見抜いていた孔明が、特製の薬を作ってメンバーに飲ませると、全員がイイ声になるというシーンが。この時、3人それぞれのイケメンボイスを担当したのが梶裕貴で、X上では《バンドメンバーの声が梶裕貴のイケボ化するとは、なんという孔明の罠!》などと大ウケだった。

「内容的には色物っぽいのですが、ライブパフォーマンスするアーティストは本物。今回の梶裕貴の声のように小ネタにも全力で取り組んでいて、実はすごく真面目ですね。策略もジオラマやカードゲームを使って、分かりやすく説明しています。全体にエンタメとして良くできているのが、視聴者の高評価の理由でしょう」(テレビ誌ライター)

 最近のドラマは視聴者を引っ張るため、考察を盛り上げるものが多い。前期の『VIVANT』もそうだったが、今期も月9ドラマ『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』(フジテレビ系)など、考察系が話題になっている。考察要素なしで引っ張る『パリピ孔明』は、その点では弱いだろうかーー?

「考察を誘う謎こそありませんが、毎回、何が飛び出すか分からないワクワク感があります。初回で英子が松原みきの『真夜中のドア』など、80年代の懐かしいシティポップスを披露したと思ったら、今回は現役の人気ヒップホップ・ユニットである、Creepy Nutsの曲を披露しました。

 次回は、ダンサーでラッパーのELLY(36)、ドラマ『君の花になる』(TBS系)でボーイズグループ・8loom(ブルーム)のメンバーとして話題になった宮世琉弥(19)が登場。彼らがどんなパフォーマンスを見せるのか、今から話題になっています。また、それぞれの楽曲や動画がネット配信されますが、それらもしっかり作られていて、視聴者の反応も気になります」(前同)

 ミステリでも恋愛ドラマでもない、独特なエンターテインメント作品の『パリピ孔明』。今期のドラマでは異色作だが、かなりの注目を集めそうだ。