■『いちばんすきな花』に存在する“3つの沼”

 松下は、2019年後期のNHK連続テレビ小説スカーレット』で戸田恵梨香(35)演じるヒロイン・川原喜美子の夫・十和田八郎を好演した際の、強い妻に押されながらも繊細で優しさをにじませる演技で大ブレイク。「八郎沼」というワードが生まれるほどの人気を博した。

「八郎沼から抜け出せないファンはいまだに大勢います。そして主題歌を担当する藤井さんにも熱狂的なファンが多く、昨年の『NHK紅白歌合戦』で披露した『死ぬのがいいわ』はその年に海外で最も再生された日本の楽曲となったほど。“音楽界の沼”と言っても過言ではありません。

 さらに『これは経費で落ちません!』(NHK総合)や『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)など、多部さんの主演ドラマは中毒性が高く、見れば見るほどハマっていく、まさに沼ドラマですからね。それを作り上げるのは主演の多部さんの確かな演技力を含めた圧倒的な魅力ですよね。

 他局からしたら『いちばんすきな花』は脅威でしょう。ただ、他局も手をこまねいているわけではない。特に日本テレビは『いちばんすきな花』の初回放送を潰しにかかってきていますからね」(前出の制作会社関係者)

※画像は『私の家政夫ナギサさん』の公式インスタグラム『@watanagi_tbs』より

■『いちばんすきな花』の前に立ちはだかる“強力ライバル番組”

『いちばんすきな花』がスタートする10月12日、日本テレビは同時間帯に『秘密のケンミンSHOW極』の「祝17年目突入の2時間SP!」を放送する。

「『ケンミンSHOW』はテレビ各局が重視する13~49歳のコア視聴率が圧倒的に高いんです。番組は通常、21時からの1時間番組ですが、この日は2時間SPをぶつけてくる。ライバル局のドラマの初回をくじくというのは常套手段ですからね」(前同)

 9月28日には『秘密のケンミンSHOW極&ダウンタウンDX合体SP』の2時間SPが放送され、コア視聴率3.7%(すべてビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録したという。

「この日は裏に『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の3時間SPもあり、22時までは同番組が優勢でしたが、22時以降は『ケンミンSHOW』が横並びトップに。『ケンミンSHOW』の人気は根強い。木村拓哉さん(50)の主演ドラマ『未来への10カウント』を下したほどの番組ですからね」(同)