■「浅慮」な一言で炎上も役者は大活躍

 そんな背景があったのに、『リバイス』の『Blu-ray COLLECTION 3』のブックレットでは、問題になった風刺ネタの表現に対して、

この描写を社会風刺的に捉えたり、製作サイドからのメッセージだと受け取るのは浅慮な考え方であろう

 と、つづられたことから、

《どう考えても制作側が迂闊だっただけなのに「社会風刺という風に読み取るのは浅薄である」とか言い出して視聴者側に責任転嫁しようとしてるのしょうもなさすぎる……》
《リバイスは途中で切ってしまったので何とも言えないが、製作陣の舐めた態度は目に余ると思うわ。仮にも好きな作品作ってる人が視聴者に対して「浅慮」とか言ってくるのは悲しすぎるね》

 と、炎上してしまっているのである。

 一方で、あくまでも批判の原因は制作陣――特にプロデューサーによるところが多いため、

《リバイスなんかなってるのかと思ったら制作陣がアレなやつか……そうか……リバイスは私個人的には面白かったと思うし推し俳優さんも出てるから燃えんでほしいな…》
《リバイスなぁ・・・役者は良かったんだよ、役者は。役者に実力があるのは、すごく伝わってきた。・・・それ以外に褒められるトコが「第1クールは良かった」くらいしか無いのがかわいそうなんだ》

 と、役者陣に対してはフォローする声が多い。

 多くの批判点がある『リバイス』だが、もちろん素晴らしいところもある。“主人公の行動は、ただのエゴイストではないのか?”と踏み込んだり、単純に“正義は絶対に素晴らしい”とは描かずに、正義感だけ暴走する危うさを描いたり。

 そして、メインキャラである五十嵐三兄妹の演技はそれぞれ非常に評判が良かった。

 たとえば、終盤にとある理由で一輝(前田)は家族の記憶を丸ごと失ってしまうのだが、大二(日向)とさくら(井本)は“一輝の記憶が消えたのを察し笑顔を保とうとするも我慢できず泣いてしまう表情”を、一輝は“何かよく分からないけど親しげに話してくる人(弟妹)に困惑する笑み”を、無言でもしっかり伝わる、説得力のある演技でやり切っていた。その後に一輝が発した「この人たち、誰?」の言い方も非常に巧みで、多大な絶望感を視聴者に与えたのだ。

 また、心に悪魔・カゲロウを宿す大二役の日向は事実上の二重人格をしっかりと演じ分けていたほか、井本は生身の空手アクションをこなし、評判は上々だった。