広瀬すず(24)が主演し、King & Princeの永瀬廉(23)と初共演するドラマ『夕暮れに、手をつなぐ』(TBS系)は、田舎育ちで天真爛漫な女性が、幼なじみの婚約者を負って上京した先で、音楽家になるのを夢見る青年と出会い、お互いの夢や恋を紡ぐラブストーリーだ。2話は、空豆(広瀬すず)が音(永瀬廉)の下宿先で生活することになる。まるで幼なじみのような雰囲気の2人はとてもお似合いだが、恋の予感がするのはまだ先になりそうだ。
■永瀬廉が生む透明感のある空気に引き込まれる
音はそこにいるだけで雰囲気を作る、詩的な人だ。街を歩いているとき、音楽を作っているとき、カフェでバイトをしているとき。どの瞬間も、透明度が高くて美しい。そんな雰囲気に惹かれてしまうのだろう、音はモテる。日常的に接点を持たず、言葉を交わすこともないような女性から言い寄られたりするのだ。
同じレコード会社に所属する人気ユニット『ZUBIDAVA』の女性ボーカル・アリエル(内田理央/31)には、「あなたのファンなの」といきなり告白してきたと思ったら腕に絡みついてグイグイ迫られたり、アルバイト先のカフェでお客様の女性・セイラ(田辺桃子/23)に「あなたにひと目惚れしたの、電話くれない?」と連絡先が書かれたメモを渡されていた。
だけど、そもそも恋愛モードではない音にとって、驚きの出来事でしかなかった。一方、一緒に暮らすことになった空豆に対しては、言いたいことをストレートに伝えられる存在になっていた。それは、空豆のどん底ともいえる大失恋に寄り添ってあげたことが大きい。苦しみに耐えきれず、泣きながら好きだった人の名前を口にするような経験は、音にはないことだろう。それは、所属するレコード会社の担当A&Rの磯辺真紀子(松本若菜/38)に「あんたの曲には痛みがない。だから人の心を打たない」と言われたことにつながる。
音楽を作り表現するということは、聞き手が共感するような何か、心を震わせるものがないと誰の心にも響かない。それが“痛み”なのだとしたら、恋愛経験による痛みは経験でしか得られない。音が、心の奥底に秘められた感情を震わせるようなメロディーが生まれるには、まだ少し時間がかかりそうだ。