■“いいアクセント”松下洸平のバランス感覚に期待!

坂元裕二氏が脚本を手掛けた、2017年1月期『カルテット』(TBS系)を思わせる会話劇で、言葉にしづらい思いを表現するなど、坂元作品の影響が強そうです。熱狂的なファンのいる坂元氏ですが、独特な作りから苦手と感じる人も少なくないんです。

 坂元氏の地上波での最近作となる、昨年7月期『初恋の悪魔』(日本テレビ系)は、全話平均視聴率が4.7%と期待外れに終わりました。こちらも主要キャスト4人の会話劇が中心で、今作がそんな坂元色が強くなってしまうと、『silent』ほどの大ヒットは難しいかもしれません」(テレビ誌ライター)

 脚本の生方氏は、21年に第33回「ヤングシナリオ大賞」を受賞した際、「坂元裕二さんみたいに、唯一無二といわれる脚本家になりたい」と、坂元氏へのあこがれを口にしている。豪華キャストを揃えたとはいえ、坂元作品を感じさせる今作の大ヒットは難しいだろうか――?

「松下洸平のコミカルな演技が、いいアクセントになっているのがかなり救いかも。松下はもともと受けがうまい役者で、共演者を光らせるバランス感覚は抜群。もどかしい感情を言語化していく会話劇の、とっつきにくいところをやわらげてくれれば、視聴者の支持は広がるはずです」(前同)

 まだ始まったばかりの『いちばんすきな花』だが、初回の平均世帯視聴率6.4%から右肩上がりで視聴率がアップし、最終回で9.3%を記録したヒット作、『silent』のような社会現象を起こせるだろうか。