■「俳優生命をかける」ほど気合いの入った大沢の物語が不評の悲劇

「そして、低視聴率の原因、最後の4つ目――大沢さんが主演の“シェフ編”です。

 第2話の時点では二宮さんの“逃亡編”と中谷さんの“地方テレビ局編”の2つに比べると物語が独立していて、シナリオが終始レストランの中だけで進行していくんですが、これが浮いてしまっていて、“テンポを損ねている”と、3つの物語では特に批判されてしまっているんです」

「シェフ編」は、主人公の時生が秘伝のデミグラスソースの入った寸胴をひっくり返してしまい、クリスマスディナーが提供できなくなってしまった開店準備中のレストランの様子がコメディタッチで描かれている。

 第3話予告のテロップだけでも、

「疑心暗鬼!! 誰が敵で誰が味方なのか!?」(逃亡編)

「キャスターが掴んだ逃亡犯のもう1つの過去!?」(地方テレビ局編)

「ビーフシチュー頼ませない大作戦!? 迷走するシェフと愉快な仲間たち」(シェフ編)

 と、「逃亡編」と「地方テレビ局編」がシリアスな展開の中、明らかにテイストが違うことが分かる。

 時生(大沢)の娘・査子(福本莉子/22)が「地方テレビ局編」の主要人物かつ、査子の上司である桔梗(中谷)と時生が過去に何らかの関係を持っていたことを示唆する描写もあったりと、最終的には本筋に絡んでくると思われるが、

《シェフ編なんとかしてくれめっちゃ間延びしてしまう もう寸劇はいいよメインストーリー動かないとつまらないのよ》
《せっかく逃亡編とキャスター編が繋がってきて気持ちよく流れてきたストーリーがシェフ編が全然別のテンポでストップしちゃう感じでもったいないな。これがうまくアクセントになって転がってくれたらいいんだけどな》

 といった不満の声が、多く寄せられてしまっている。

「シェフ編」の主演である大沢は、

「こんなに挑戦したいと思える作品はないと思いましたし、挑戦するスタッフ、キャストの人たちと仕事がしたいと思いました。自分の俳優生命をかけて臨む価値のある作品だと思っていますので、ご迷惑をおかけしないように精いっぱい頑張りたいと思います」

 と、キャスト発表時に意気込みを寄せていただけに、現状に歯がゆい思いをしているかもしれない。

「シェフ編に大きな動きがあれば視聴率も好転するかもしれませんが、本作のような連続性のあるシナリオは、序盤を見逃すと途中から参加するのが難しいですからね。

『真夏のシンデレラ』が放送される前、2020年代に入ったころから“月9”のブランド力が低下しているところはありましたが、『ONEDAY』の序盤でそれを加速させてしまったかもしれませんね……」

 大沢は、ドラマデビューが月9の『君といた夏』(1994年)であることから、「自分のルーツにこんなに長い年月をかけて戻らせていただくことができてとてもうれしい」と、放送前にコメントしていた。月9初主演の『ONEDAY』は、苦い思い出になってしまうのか――。