■秋ドラマの人気に傾向あり

 一方で、《お金を切り口に事件を解決に導く。テーマとしては面白いけど、なんだか展開が薄いし、コメディ通り越してカオスだったな》《一円の裏の顔は縦軸になりそうで楽しみなんだけど、個々の事件のエピソードが薄い。あと、切り口は面白くても月曜から金欠金欠言われるのはキツい》と、あっさりした事件解決の流れなどに批判の声も。

「確かに薄いところはありましたが、前期の大ヒット作『VIVANT』(TBS系)が、あまりに出来が良すぎたことの影響で、ドラマファンが辛口になっているという事情はあるでしょう。『トクメイ!』は十分な良作ですが、『VIVANT』のような豪華キャストと凝った展開のドラマを見たあとでは、物足りなく感じるのも仕方ないです」(テレビ誌ライター)

 今期、好調なのは『下剋上球児』(TBS系)、『相棒22-前期』と『家政夫のミタゾノ6』(テレビ朝日系)、『ゆりあ先生の赤い糸』(テレビ朝日系)と『コタツがない家』(日本テレビ系)と、安定感のある日曜劇場、続編モノ、ホームドラマ以外は厳しい数字の作品が多い。これも『VIVANT』の影響がありそうだ。

「それでも『トクメイ!』は、今回の薄め内容をカバーできるほど、橋本の存在感が際立っています。『紅白』司会に朝ドラヒロインと、まさに国民的女優になろうかという、絶好調の時期。橋本演じる主人公・一円には裏の顔があることが、初回ラストで匂わされており、ただのコメディでは終わらないようですし、今後も期待できそうす」(前同)

 定番以外は不調ぞろいの冬ドラマ。そんな中でも、橋本はさらに輝きそうだ。