ワコールのメンズインナーウェアブランド、ワコールメンが手がける男性用レース下着が、好評だという。

 同社は、レースの下着といえば女性用という概念を覆し、2021年に「レースボクサー」(税込・3960円~)を発売すると予想を超える大反響。23年春夏シーズンは前年同期比3倍超えというヒット商品に成長した。好評を受け、23年9月からは「レースブリーフ」(税込・3630円~)の販売をスタート。密かに、そして着実に支持を得る秘密はどこにあるのか――。

 ワコールの広報・高橋優果氏は、「レースボクサー」発売に至るまでの経緯について、「多様性が世に広まりつつある中、男性らしさや女性らしさといった従来の考えにとらわれることなく、男性にも美しさにこだわった商品を身につけてほしいという想いから開発をスタートしました」と説明する。

 主役は全面に施されたレースだ。長年の女性下着の開発で培ったレースに関する知見を生かし、男性用商品向けにオリジナルのレースを開発した。

※WACOAL MEN公式インスタグラム『@wacoalmen_official』より

「繊細な女性用レースをそのまま使用すると、男性は力が強いため履くときに破れてしまう可能性があります。そのため女性用に比べて強度を1.3倍、伸縮性を2倍に高めたレースを約1年かけて開発しました」(前出の高橋氏)

 そうしてできあがった「レースボクサー」は、発売から10日で3か月分の販売予定枚数が完売。23年春夏シーズンでは、ワコールメンのなかで最も販売枚数が多く、前年比376%にものぼった。人気カラーは黒。購買層は20代~60代までと幅広いが、中心となるのは40代以降の世代だという。

 高橋氏は、「ものづくりへのこだわりや、レースの美しさに共感してくれる人が手に取っている印象です」とその実感を語る。