■“小説”で明らかになった「公開処刑」の裏側

 2016年初頭、SMAPの解散騒動がスポーツ紙や週刊誌などで大きく報じられたことを受け、同年1月18日にSMAPのメンバー5人は黒いスーツに身を包み、『スマスマ』の生放送で謝罪の言葉を述べ、頭を下げた。

 番組の構成作家陣の中心にいた鈴木おさむ氏(50)は、2022年12月9日発売の『文藝春秋』(文藝春秋)で、小説『20160118』を発表。あくまでも“小説”という形だが、当時の番組の裏側を綴っている。

 鈴木氏と番組プロデューサー、番組演出は、生放送で5人が言う言葉を、本人たちにヒアリングを行なったうえで構成していった。これまでファンに夢を与えてきた彼らに悲しい言葉を言わせたくなかったという思いから、鈴木氏が仕上げた台本には、解散騒動で迷惑をかけてしまったことに対する謝罪の言葉が綴られていた。

 ところが、生放送1時間前に「ソウギョウケ」のトップの1人で、超巨大プロダクションを作り上げてきた女性から台本に猛烈なダメ出しがあったという。そして、送られてきた直しには、生放送の中で“メンバーが絶対に言うべき言葉”が指示されていた――。

 名前こそ出ていないものの「ソウギョウケ」の女性がメリー喜多川氏(享年93)だということは明らかだろう。鈴木氏やプロデューサー、演出は誰にでも優しい“ツヨシ”を頼って、彼にその言葉を言ってもらったという。

■「ジャニーさんに謝る機会を木村くんが作ってくれて……」

 2016年1月18日、草なぎは生放送で「みなさんの言葉で気づいたこともたくさんありました。本当に感謝してます。今回、ジャニー(喜多川)さんに謝る機会を木村くんが作ってくれて、いま僕らはここに立ててます。5人でここに集まれたこと、安心しています」と述べた。

 この言葉で、木村とそれ以外のメンバーの1対4の構図が浮き彫りになり、木村はSMAP解散の“戦犯”に認定されてしまった。

「木村さんが中居さんの名前を出すことをNGにしているのは、やはり『スマスマ』収録現場でのひと悶着、そして“公開処刑”の際の対立が大きいのではないでしょうか。

『しゃべくり007』に高校のクラスメイトや担任の先生が出ても中居さんの名前はNG――今回の件であらためて、2人の間にある溝は簡単に埋まるものでないことが明らかになったと言えそうです。中居さんが『いいとも!』で同様のエピソードを語った映像と比べると、よりそれがビンビンに伝わってくる印象的なスルーだったと言えますね」(前出のワイドショー関係者)

 クラスメイトだった木村と中居が、高校時代のように打ち解けることはもうないのだろうか――。