■“コンカフェ”のコミュニケーション版のようなもの

 店を手がけたのは、コーヒー店のフリをしたバー『JANAI COFFEE』(東京・恵比寿)を20年8月にオープンさせた株式会社kakeruの代表・明円卓(みょうえん・すぐる)氏だ。

 頻繁にこちらのカフェを訪れるという常連客曰く「客層は10代から60代まで幅広く、隣同士仲良くなるのも珍しいことではない」とのこと。明円氏はカフェの開業前、自身のSNSにスタッフ総出で“友達感覚の店”ができると発信しており、常連客も「その時点で興味を持った人も多かったのでは。その後いろいろな人のインスタグラムやTikTokを見て、来店したお客さんも多いですよ。コンセプトの作り方とアピールの仕方が上手だと思う」と話す。

※画像は明円卓氏のインスタグラム『@myoensuguru』より

 コミュニケーションというコンセプトがあるという点では、“コンセプトカフェ(コンカフェ)”の一種とも言えるこちらの「友達がやってるカフェ/バー」。これまでよくあった“コンカフェ”がスタッフの制服やメニューにコンセプトを設けられているのに対し、こちらは人と人との「コミュニケーション」に光を当てているのが新しい着眼点といえよう。

 最初は“どこまでタメ口でいいのか”と探り探りだった客が、スタッフのタメ口によりだんだん打ち解けてゆくのもおもしろい。「また明日待ってるわー!」というスタッフの声に後ろ髪を引かれたら、もう“友達”気分の術中だ。