■松下洸平・椿の母親は……
この一件をゆくえは、椿(松下)の家でゆくえ・夜々・紅葉と4人で集まった際に、
「大人ってずるいよね。子どもに“勉強しろ。勉強して偉い。勉強できるの偉い”って。なのにさぁ、大人になると”勉強できることが大事じゃないのよ”って。”社交性よ、愛嬌よ、気配りよ”って」
と、こぼしている。
次に、椿の母親でフラワーショップの店長である鈴子(美保純/63)は、椿が小学校低学年の頃に三者面談で教師から、落ち着きも協調性もない“個性的な子”だと聞かされた際、はしゃぐ椿に「いい子にしてて」と発言。まったく悪意はないし、状況を考えるとやむを得ないのだが、これが「僕は“いい子”じゃなかった」と、椿の人格形成に影響を与え、「誰にとっても(都合が)いい人」になってしまったところがある。
他方で、母・鈴子や椿の弟・楓(一ノ瀬颯/24)も椿の人柄は理解してくれている。鈴子は「いつも申し訳なさそうな顔をしていて、無理やり(実家の花屋で)働かせるのは辞めようと諦めがついた」と話していたり、椿が枯れそうな花を持っていることを知ると鈴子は「友だちが来てるなら、あげるんじゃない?」と話すが、
楓「友達にこそあげないでしょ……明日枯れる花なんか。兄ちゃんだよ?」
鈴子「そうだ……うちの子、昔からいい子だった(笑)」
と、やり取りし、おだやかに笑う姿も描かれている。
ただし、椿は「花屋」が苦手で実家から距離を置いているため、こうした思いは届いていないかもしれないが……。
『いち花』の主人公たちの母親に対しては、
《ゆくえ母も椿母もたぶん夜々母も、なにも悪気なんてないんだよね。子供がかわいい、大丈夫かな、そう思って育ててきたんだと思うわ》
《ゆくえ母の、人生に必要なのは社交性愛嬌気配り説、いくら子がもう大人になってるとはいえそん呪いかけてくんなよと思ってしまった》
《結局大事なのは「社交性でしょ」「愛嬌でしょ」「気配りでしょ」と言われ続けた私の胸中がこちらです(※「やろう、ぶっ殺してやる」と書かれた画像を添えて)》
《椿くんのお母さんや弟の楓くんが椿くんに優しくてホッとする他の3人(原文ママ)の家族はちょっと辛そうだから》
といった声が寄せられている。