「楽器を持たないパンクバンド」として多くのファンを魅了し、６月２９日に東京ドームで行なわれたライブ「Ｂｙｅ－Ｂｙｅ Ｓｈｏｗ ｆｏｒ Ｎｅｖｅｒ」をもって惜しまれつつ解散したガールズグループ・ＢｉＳＨ。
元メンバーのセントチヒロ・チッチはソロプロジェクト・ＣＥＮＴで音楽活動を行なうかたわら、「加藤千尋」名義で本格俳優デビューを果たす。
加藤が本格的に俳優業をスタートさせる作品は舞台『雷に７回撃たれても』（１１月３日～）。劇団「Ｓｕｐｅｒｅｎｄｒｏｌｌｅｒ」を主宰する濱田真和氏が脚本・演出を手掛け、主人公の⽥中⼋起を大下ヒロト（２５）が、ヒロインの清澄美波を加藤が演じる。
“雷に７回撃たれても生き延び、失恋により拳銃自殺をした”と言われる実在した人物を源流に、ひとりの青年の数奇な半生が描かれるという同作品。
ＢｉＳＨとして駆け抜け、ソロアーティスト、そして俳優としてスタートを切ったヒロイン・美波を演じる加藤さんに、今回はグループ解散後の変化とＢｉＳＨについて、そして舞台『雷に７回撃たれても』についても熱く語ってもらった。（＃１、２のうち２）
※ ※
■銀杏ＢＯＹＺの『Ｂａｂｙ Ｂａｂｙ』に雷に撃たれたような衝撃を受ける
――グループが解散となって、プライベートでも変化はありますか？
変化はそんなにないです。元々休むのが嫌だったので。そんなに自分に自信がないから、“休んでいる暇ない”って思ってたから、ずっと仕事しています。あんまり日々は変わらなくて、ただ今、稽古っていうもの初めてやって１か月。そこは全然違います。新しいことに挑戦することにワクワクしています。
――俳優業進出ということで、テレビドラマなどを演者目線で見るなどの変化もあるのでしょうか？
あんまりないです。ドラマ好きなのでずっと見ていますが。でも刺激としてちゃんと見なきゃなって、思いますね。面白いだけじゃなくて。
――今回の舞台のホームページでは加藤さんの言葉で、《人生には雷が落ちてるように電撃が走り渡る、そんな瞬間があります》っていう言葉があったのですが、加藤さんが思う“雷に撃たれた瞬間”は過去にありましたか？
私は何かに出会った瞬間に雷が落ちたみたいな感覚になるなって、昔から思っていて。ずっとお話ししているんですけど、銀杏ＢＯＹＺの曲を高校生のときの帰り道に聴いたときに雷が走ったみたいに“ビビビビッ”ていう感覚があって。そこから青春パンクにハマって、銀杏ＢＯＹＺが大好きになって、自分の人生のスーパーヒーローになっていったんです。
――銀杏ＢＯＹＺの何という曲だったんですか？
そのときは『Ｂａｂｙ Ｂａｂｙ』です。“なんだ、この曲は!?”“って、漫画みたいな反応して、のめり込んでいって今の自分がある。
そういうふうに音楽だけじゃなくて、何かに出会うこともある。ＢｉＳＨっていうものを見つけて、自分でオーディションにまで行って。すごく私にとっては大きな決断だったし、昔の私だとできなかったことで、そういう雷に落ちたような出会いの瞬間があったから一歩踏み出せたと思います。
