■同じTBSの名作野球ドラマを思い出す声も

 また、『下剋上球児』はメインキャラクターの一人である犬塚樹生役の小日向文世(69)や、野球部監督・横田宗典役の生瀬勝久(63)を筆頭に、『アンナチュラル』で警察ドラマ特有の凸凹コンビを演じていた吉田ウーロン太(45)と大倉孝二(49)など、同スタッフの過去作から再出演している役者も多い。そのため、どうしても過去作を連想してしまう、という声もあるのだ。

「加えて、同じTBSの名作高校野球ドラマ『ROOKIES(ルーキーズ)』(2008年)を引き合いに出す声も多い。主題歌であるGReeenの『キセキ』ともども、社会現象を巻き起こした作品ですからね」

『ROOKIES』は森田まさのり氏が『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載していた漫画が原作の作品。

 主演の佐藤隆太(43)が熱血教師・川藤幸一役で大出世を果たしたドラマとして有名であり、市原隼人(36)や城田優(37)、佐藤健(34)などなど、後の売れっ子俳優が多数出演していた作品である。

 不良球児たちが川藤に影響されて熱い野球バカになっていく王道のストーリーを『下剋上球児』と比べる声も多く、

《ルーキーズに変なアレンジに修正した感じの話だな教員免許偽装は…過去に厳しい練習させて生徒が死んだとかかなぁと思ってたから、斜め上すぎだろ》
《なんか無理あるなぁ。ぶん殴って生徒に負傷させるルーキーズ川藤くらいの問題でええのよ》
《説明台詞が多いのと、情報詰め込み過ぎで、純粋に選手のキャラは全くわからないまま。どこに落とし所があるのかわかりにくい。ルーキーズと違う事をしたいのかもしれないがまどろっこしくてずっと観てられない》

 といった声も、寄せられているのだ。

「もちろん『ルーキーズ』との差別化に好意的な声もあるし、南雲関連のドラマを各話の終盤に大きく動かすことで“次回どうなるんだろう!?”というドキドキ感を演出していることも伝わります。

 しかし、野球好きな視聴者が求めていたのは『アンナチュラル』のような作風ではなく、『ルーキーズ』のようなノリだったようで……“もっと『ルーキーズ』な感じにしてほしい”といった声も聞こえてきますね。一定数の視聴者が求めている作風と今作のミスマッチがモヤモヤ感を生み、それが視聴率に反映されてしまったのかもしれませんね」

 第4話で大きく話が動きそうな『下剋上球児』。ここから巻き返しとなるのか――。