2023年も残すところ後2か月。今年も『NHK紅白歌合戦』の出場歌手発表にソワソワする時期がやってきた。例年、NHKは11月中旬~下旬の間に紅白それぞれ25組前後の出場アーティストを発表する。
そんな、今年の国民的音楽番組の出場歌手を、音楽チャートを分析したブログ『イマオト -今の音楽を追うブログ-』を毎日更新し、地元青森県でラジオDJも務めるチャートアナライザーのKei氏が徹底分析する。Kei氏は昨年も『紅白』出場者発表前に同ブログで出場者予想を書いていたが、高い確率で的中していたのだ――。(#1から6のうち#5)
74回目を迎える『NHK紅白歌合戦』。出場歌手についての予想合戦が盛り上がっている。出場にあたりNHKが考慮するのは「今年の活躍」「世論の支持」「番組の企画・演出」の3点だというが、毎年もっとも話題になるのはやはり「初出場」組だ。
では、今年の初出場組はどのアーティストになりそうか。ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを分析している音楽チャートアナライザー・Kei氏に、実際のヒットを元に「紅組」の初出場を予想してもらった。「今年の活躍」の目安になるのは、なんといってもヒット曲の有無だ。Kei氏は、「ビルボードジャパンのソングチャートと、ソングチャートとアルバムチャートを合わせたトップアーティストチャート『Artist 100』が大きな目安になります」という。
「年間チャートは12月にならないと発表されませんが、6月に発表された上半期の各種チャートからヒット作品やヒットしている歌手が見えてきます。
現段階で、紅組として初出場が予想されるのは4人組のダンス&ボーカルユニットである新しい学校のリーダーズ、ano(あの・年齢非公表)。また、20年10月に配信された『うっせぇわ』が大ヒットを記録しているAdo(21)も有力です。他にも日本人7人組ながら、22年から日韓両国で活躍するXG、そして5人組ガールズグループのNewJeansも目が離せません。
それとMAN WITH A MISSION×milet。10年から活躍している5人組ロックバンド・MAN WITH A MISSIONは、本来白組での出場がふさわしいのですが、milet(年齢非公表)との共演であること、また枠数の兼ね合いでこちらに入れています」(前同)
それぞれ、Kei氏が予想する理由はなんなのか。
「新しい学校のリーダーズは、20年リリースの『オトナブルー』が『TikTok上半期トレンド大賞2023』で大賞に輝き、ビルボードジャパン週間ソングチャートでも最高10位を記録。独特の首振りダンスは社会現象にもなりました。”今年の活躍”と”世論の支持”の2条件は満たしており、選出最有力と言えるでしょう」
すでに一部スポーツ紙ではNHKが『新しい学校のリーダーズ』を出演者リストに選出しているとも報じられている。出演の打診は10月中に行なわれたと見られており、出場は濃厚だ。
また、あのちゃんことanoは、今年上半期のビルボードジャパンによる『Heatseekers Songs』で、22年11月23日リリースの『ちゅ、多様性。』が1位に輝いている。こちらも11月5日に出場確実情報が報じられている。
「ビルボードジャパンの『Heatseekers Songs』は、ソングチャートの中からラジオやダウンロード、ストリーミングそして動画再生数を集計し、その中から急上昇中のアーティストを抽出したチャートとなります。『ちゅ、多様性。』は今のヒット曲に欠かせないダウンロードや動画再生といったデジタル面で強さを発揮しており、彼女が如何に今年、注目を集めていたかがうかがえます」(前同)
Adoは、9月6日に配信開始したユニバーサル・スタジオ・ジャパンによるハロウィーン・イベントとのコラボレーション楽曲『唱』が、9月下旬以降ビルボードジャパンソングチャートで4連覇を達成。年間チャートでの上位進出も狙える位置に付けている。現在も放送中のTVアニメ『SPY×FAMILY』Season2のオープニング主題歌『クラクラ』を配信するなど、話題にも事欠かない。