日本人が好むインド由来の料理といえば、なんといってもカレー。数多くのインドカレー屋があるが、足を運んだ人なら一度は目にしたことがあるであろうサラダにかかっている“謎のドレッシング”が商品化され、SNSで大きな話題になった。
インドカレー屋のサラダにかかっている「オレンジ色のドレッシング」といえば、「ああ、あれか!」と頷く人も少なくないだろう。その名も『インドカレー屋さんの謎ドレッシング』を商品化したのは、ドレッシングや「ふえるわかめちゃん」で知られる理研ビタミンだ。
2023年2月、理研ビタミンは『インドカレー屋さんの謎ドレッシング』業務用(1L)を発売。家庭用サイズ(190ml、税込356円)については3月から一部店舗で先行販売すると話題を呼び、累計5万本を突破した。その反響から8月には全国発売が決定。
斬新な企画はいかにして生まれたのか、『インドカレー屋さんの謎ドレッシング』を企画した理研ビタミンを直撃した。答えてくれたのは、食品企画開発部の浅子よし絵さんだ。
全国発売されてから約3か月だが、現在の売り上げや反響はどうなのだろうか。
「家庭用サイズは全国発売以来、売上本数70万本を突破しました。再現性については”そうそう、この味”というお声がある一方で”自分の知っている味とは違う”など、さまざまなご意見があります。ただ、なかには”子どもが野菜を食べてくれる””千切りキャベツだけなのにこれをかけるとお店の味になる”など、食べやすい味わいは評価いただけていると感じています」(浅子さん)
開発のきっかけは、「インドカレー屋で出てくるドレッシングに魅せられた」というシンプルなものだった。その経緯について、浅子さんが語る。
「インドカレー屋で出てくるサラダのドレッシングっておいしいな、とは常々思っていましたが、意外にもどこにも売っていなかったんですよね。そのことが社内で話題になった際、同じように思っている社員が多くいたことが、商品企画のきっかけです。
開発期間はちょうどコロナ禍。外食機会が減る一方で、家庭でお店の味を再現する動きがありました。SNSでも『インドカレーのあのドレッシングはおいしい』『マネして作ってみた』などの動きがあるのを見て、少ないながらも共感する人たちがいることを確信しました」