2023年1月クール放送の各局連続ドラマは、序盤戦の放送が終了している。各局、豪華なキャストを投入し、話題作目白押しで激しい視聴率レースが繰り広げられているが、その明暗はハッキリと出てきているようで――。
「テレビ各局が現在、重視するのは、これまでのいわゆる視聴率である世帯視聴率ではなく、13歳~49歳までのコア視聴率です。その若い層の方が、シニア層よりも商品購買力があり、コア層の視聴率が高い番組にCMを出せば企業として広告効果が高い。ですので、コア視聴率の高い番組には、広告単価の高い“一流CM”が入ってくるんです。だからこそ、テレビ各局はコア視聴率を重視する、求めていく、という構図になっています。
そんななか、コア視聴率で苦戦しているのはテレビ朝日です。特にテレ朝は、ドラマにおいてシニア層を始め、広い層に楽しんでもらうコンテンツを作り続けてきました。それがここにきて、コア層を意識した作りに変化してきていますが、やはり視聴者が同局ドラマに持つイメージのところもあって、そう上手くはいかないようですね」(ドラマ制作会社関係者=以下同)
たとえば、その代表的な例として、水谷豊(70)主演の大人気シリーズ『相棒』が挙げられる。
2022年10月から2クールかけて放送中の『season21』は、寺脇康文(60)演じる“初代相棒・亀山薫”の復活などが注目を集めており、実際に第14話(1月25日放送)は世帯視聴率12.6%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)という、非常に高い数字を出している。
「しかし、同じ第14話をコア視聴率で見ると2.8%なんです。どうしようもなく低いということではないですが、世帯視聴率の高さと比べると、低いですよね。
『相棒』はまだ人気の長寿コンテンツだからいいですが、今年1月クールスタートのドラマは、若い世代を狙っているのに、上手くいっていない印象を受けます」