2023年も残すところ後2か月。今年も『NHK紅白歌合戦』の出場歌手発表にソワソワする時期がやって来た。例年、NHKは11月中旬~下旬の間に紅白それぞれ25組前後の出場アーティストを発表する。

 そんな、今年の国民的音楽番組の出場歌手を、音楽チャートを分析したブログ『イマオト -今の音楽を追うブログ-』を毎日更新し、地元青森県でラジオDJも務めるチャートアナライザーのKei氏が徹底分析する。Kei氏は昨年も『紅白』出場者発表前に同ブログで出場者予想を書いていたが、高い確率で的中していたのだ――。(#1から6のうち#6)

 出場するアーティストにとっては国内最大の“晴れ舞台”となる『紅白歌合戦』。そんな年末の檜舞台に欠かせないのが、流行に関連した出演者だ。Kei氏によると、注目は「アニメ」と「スポーツ」だという。

 アニメは元々その主題歌と作品がセットで盛り上がるものである。今年も大ヒット作が目白押し。ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを分析している音楽チャートアナライザー・Kei氏が、注目するアニメは以下の6作品だ。

10-FEET『第ゼロ感』(22年12月3日公開、映画『THE FIRST SLAM DUNK』エンディング主題歌)
スピッツ『美しい鰭』(23年4月14日公開、映画『名探偵コナン 黒鉄の魚影』主題歌)
米津玄師『地球儀』(23年7月14日公開、映画『君たちはどう生きるか』主題歌)
YOASOBI『アイドル』(23年4月期TVアニメ『【推しの子】』TOKYOMX・オープニング主題歌)
・MAN WITH A MISSION×milet『絆ノ奇跡』(23年4月期TVアニメ『鬼滅の刃』フジテレビ系・第3期『刀鍛冶の里編』オープニング主題歌)
King Gnu『SPECIALZ』(23年7月期TVアニメ『呪術廻戦』TBS系・第2期『渋谷事変』オープニング主題歌)

 これらの作品に注目する理由をKei氏が話す。

「22年11月9日に配信リリースされたスリーピース・ロックバンド10ーFEETの『第ゼロ感』は、映画『THE FIRST SLAM DUNK』のロングランに沿う形でビルボードジャパンソングチャートで通算19週トップ10入り。またバスケットボールW杯の会場でも『第ゼロ感』が流れたことで、チャートは再び上昇しました。

 スピッツの『美しい鰭』は4月10日に配信、4月12日にCDがリリースされると、『名探偵コナン』の映画版としては、初となるシリーズ興行収入100億円を突破。映画の盛り上がりに比例する形で楽曲もロングヒット。チャートイン12週目の7月にはビルボードジャパンでストリーミング再生回数1億回越えを果たしました。

 ただしスピッツは、19年度前期の朝ドラ『なつぞら』の主題歌『優しいあの子』を担当したものの、その年の紅白には出場しなかったという経緯があります。ですので、仮に出場が叶ったとしても特別枠ということになるかもしれません」

※画像はスピッツUMStaff公式X『@spitz30th_UM』より

 また、宮崎駿監督(82)が、10年ぶりに手掛けた長編アニメーション作品『君たちはどう生きるか』の主題歌である米津玄師の『地球儀』。7月17日に先行配信が開始されると、ビルボードジャパンのダウンロードソングチャートで2週連続1位を達成しており注目度は抜群だ。

 ファンも多い宮崎作品の主題歌だけに米津が『紅白歌合戦』へと出場すれば、お茶の間の耳目を惹きつけるに違いない。しかしながら、Kei氏は米津の紅白出場は不確定だという見方を示す。

「米津さんは18年の初出場以降、毎年話題曲を世に送り出していますが、紅白には出ていません。そのため今回登場するかどうかも未知数です。また、TVアニメ『チェンソーマン』オープニングテーマの『KICK BACK』が『地球儀』以上にヒットしており、仮に出場するならそちらを披露する可能性もあるでしょう」(前同)