■テーマはいいのに数字が伸びないジレンマ

「初回は女性の共感を呼ぶ設定が話題になりましたが、今回はラストに衝撃的シーンがあったものの、ストーリー的に大きな動きが少なかっんです。そこが原因かもしれません。今作のこの雰囲気は、同じく共感を呼びながらも、理屈をこねくり回しすぎて、数字的に失敗した『こっち向いてよ向井くん』を思い出します」(テレビ誌ライター)

 前期放送の『こっち向いてよ向井くん』(日本テレビ系)も、恋愛や結婚について細かな心理描写が女性を中心に人気となったが、登場人物が悩んでばかりのモヤモヤした展開が続いたこともあり、全話平均視聴率が5.0%と、成功とは言えない数字に終わった。

「『田中さん』も“異性に対する偏見”、“自分らしい生き方選び”など、現代的なテーマではありますが、リアルなぶん、一般視聴者を引き込む荒唐無稽なストーリーに持って行きにくいジレンマがあります。原作は未完のため、オリジナルエピソードをどれだけアレンジできるかが、今後のポイントでしょう」(前同)

 物語はまだ第2話で始まったばかり。一夜をともにした(?)田中さんと笙野の関係に進展はあるのか? 自己肯定感が低い朱里は本音の恋ができるのか? 今後の展開に期待したい。