■暗くなるほど感動が高まる?

 ちなみに、前期『らんまん』の第5週までのネガティブなエピソードは、第5話にして早くも母・ヒサが亡くなったのは重かったが、あとは、万太郎が小学校になじめず中退、酒造「峰屋」の跡継ぎ問題、自由民権運動に巻き込まれるぐらい。これに比べると、『ブギウギ』は暗いエピソード続きで、この展開を嫌う視聴者も出てきそうだが――。

「失敗しても不幸が起きても、毎回、スズ子はそれを飲み込み明るく力強く前に進んでいく。だから暗くならなず、視聴者はむしろ、勇気、明るさをもらえるんです。

 不幸の連続が、物語を盛り上げるジャンプ台になってしまうんですね。『ブギウギ』人気の理由には、そんなスズ子のキャラ設定、そして演じる趣里さんの個性、魅力があるのかもしれません」(前出のテレビ誌ライター)

 今後、太平洋戦争が起き、弟・六郎(黒崎煌代/21)は軍隊に招集され、スズ子の楽団は“敵性音楽”扱いに。さらに、会社御曹司との許されぬ恋、その恋人の闘病と死など、暗い展開がてんこ盛り。だが、不幸が起きるほど、スズ子の輝きは増しそうで――『ブギウギ』にはさらなる注目が集まるだろう。