■交通事故対応はできるのか? タクシー業界がライドシェアに不信感を抱くワケ
また、一般人が自家用車を使って客を乗せ、賃料を受け取るライドシェアならではの課題もあると福家氏は指摘する。
「交通事故が起きた場合、タクシー会社なら保険に加入しているため、その後の事故対応もスムーズです。しかし、ライドシェアであれば個人間で対応する必要がある。事故後に乗客の方への補償などがスムーズに進むのかは疑問符がつきます」
岸田首相がデジタル活用の一環として、導入を表明したライドシェア。タクシー業界としても、テクノロジーを活用し、この変革を乗り切ろうとしているという。
「都内の実車率は現在、50%前後です。1万円札を掲げてタクシーを停めていたと言われるバブル期ですら実車率は60%ほど。
移動手段の不足のためのライドシェア導入と岸田首相は述べていますが、複数の配車アプリの導入次第で、実車率はまだまだ押し上げられる。ライドシェアサービスは不要だと考えています」(前同)
IT革命の中心地であるシリコンバレーで産声を上げたライドシェア。既存産業もただ手をこまねいて、新サービスの導入を見守るつもりは毛頭ないというわけだろう。技術革新により産業構造は変化するのか。タクシー業界に起こるチェンジに注目だ。