SNSに写真を投稿する際、美肌加工アプリを使うのはもはや当たり前。“インスタ映え”という言葉がすっかり定着するほど見た目が「良い」ものが礼賛されてきたが、その揺り戻しがジワジワと広がっているようだ。現在、若者の間で人気を呼ぶ“盛れない”アプリ『BeReal』は、その代表格。

『BeReal』は2020年、“日常のリアルタイムを切り取る“をコンセプトにフランスでリリースされ、22年になって世界中で爆発的に普及。22年10月時点で全世界5000万ダウンロードを突破し、App Store Awardも受賞した。

※画像はApp Storeの公式X『@AppStore』より

 最大の特徴は、「投稿できるのは1日1回、ランダムに届く通知を受け取って原則2分以内に写真を撮影して投稿する」というルール。2分以内に投稿できれば1日に可能な投稿回数が3回に増えるが、逆に2分を過ぎてしまうと、何分遅れた投稿であるかがフォロワーに表示される仕組みとなっている。

 時間制限があるため、投稿者は写真を盛っている余裕もなければキメ顔を準備する時間もない。その他、写真を投稿するまでに何回撮り直しを行なったのたかも表示されるなど、自分がどれだけ写真に“こだわった”かがフォロワーにはバレバレになる。ユニークなのは、通知を開くとスマートフォンの外側・内側両方のカメラで同時に撮影される点だ。自分の今の状態と、今自分が見えているものが同時にフォロワーへと伝わることになる。

 写真が公開されるのは自身が許可した相手のみ。また他の人の投稿を見るためには自分が写真を投稿する必要があり、他人の写真へのリアクション時にも自撮りをしなくてはならない。つまりは“誰か知らない人の投稿を見る専門”というわけにはいかないのだ。なお、次の投稿をするたびに前の投稿は消えていく。