■仲間由紀恵似の美女が官僚に接触「中国流ハニートラップ」

――スパイたちは日本で、どんな諜報活動を行っていますか?

勝丸 ロシアと北朝鮮は、訓練されたスパイが、自ら諜報活動をします。対して、中国は、スパイ本人は動きません。日本にいる中国人留学生や在日二世などを使って、情報を集めるんです。

――国によって、やり方が違うんですね。

勝丸 特に厄介なのが中国です。「親の年金額が上がる」「母国にいる兄弟を出世させる」なんて報酬をちらつかせて、一般人をスパイに仕立てています。また、有事・平時を問わず政府の情報工作活動への協力を義務づける“国家情報法”があります。従わない人は、脅して協力させるので、どんなに善良な中国人も、次の日にはスパイになる可能性があるんです。

――恐ろしい話です。

勝丸 また、中国は世論工作にも積極的で、その最たる例が政府要人などへ、美女スパイを送り込む“ハニートラップ”です。過去には、とある中国人クラブを訪れた日本人官僚が、好みの女性を聞かれ、仲間由紀恵と答えたところ、その後しばらく、仲間由紀恵似の中国人美女が接触してきたという事例もありました。その官僚から私に相談が来たので調査したところ、その美女が、中国人スパイの指示を受けた、一般人の留学生だと判明しました。

――留学生も利用してしまうなんて、中国のスパイは恐ろしいですね。

勝丸 日本の諜報機関は行いませんが、こういったハニートラップを駆使する国は少なくありません。

※画像は『VIVANT』の公式X(ツイッター)『@TBS_VIVANT』より

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 現実の世界でも『VIVANT』のような水面下での攻防が着実に行われている――。

 

諜・無法地帯 暗躍するスパイたち(実業之日本社)
勝丸円覚(著)、山田敏弘(構成)
2023年11月22日 発売