街を歩けばチェーン店を筆頭に、至る所で目に付く中華料理店。そんな中華料理店の中でも最近注目を集めているのが、本場中国の現地の味が楽しめる「ガチ中華」と呼ばれるスタイルだ。

 中国駐在経験のある大手総合総社勤務の鎌田宏さん(仮名・50代)が語る。

「日本人向けにアレンジされたチェーン店の中華料理ではなく、香辛料をふんだんに使った濃い味付けで、現地と遜色ない料理を提供する店は日本でも確かに増えました。首都圏ですと池袋や西川口は“ガチ中華”のホットスポットです。その他の地域でも、中国人街がある場所ならどこでも“ガチ中華”は味わえます」

 手軽に本場の味が試せるとあって、人気を集める“ガチ中華”。しかし、注意も必要だという。

「中華料理は油を通すのが基本です。そのため、日本人には油っぽいと感じてしまい食後、腹痛に悩まされることも……。また、中国は国土が広大で地域によって味が大きく異なる。特に北の地域に行けば行くほど、味付けがしょっぱくなる傾向にあります」(前同)

 足を踏み入れたくてもなかなか、最初の一歩が踏み出せないという人も多いガチ中華の世界。初心者向けとなるメニューはあるのだろうか? 小サイト記者が、ガチ中華の中心地でもある東京・池袋の街を直撃した。

 編集部員が11月のある平日の夜、足を踏み入れたのは池袋駅・西口を出てすぐの雑居ビル4階にあるフードコート『友誼食府』だ。こちらの店は複数の店舗がワンフロアの中にあり、四川料理、上海料理、東北料理などを味わうことができる。

 フロアには2人掛けのテーブルが、全部で10席ほど用意されている。座席は中国人客を中心に、常に8割ほど埋まっており大盛況といった様相。そんな中、まず記者が向かったのは東北料理を手掛けるお店である。

 塩味や醤油味を中心とした味付けで日本人の味覚にもマッチしやすいと言われる東北料理。メニュー表を見ても水餃子や酢豚など日本人に馴染みのあるメニューが名を連ねる。女性店主にお勧めを尋ねると、「水餃子と鶏肉の燻製が油を使っていないため、日本人にも食べやすい」とのこと。