■“摘発相手”から被害届が提出されていて……
杉田容疑者が、今回取調室へと送り出された背景には、どんな理由があるのだろうか。
「コロアキ氏は、23年9月にジャニーズグループのコンサート会場にいた女性に対し、チケットを転売した疑いがあるとしてカメラを向けて追いかけ回した。
しかも、その動画をモザイク処理もせずにYouTubeで配信したのです。女性側は動画を配信されたことが名誉毀損に当たるとして、警視庁に被害届を提出しています」(捜査関係者)
被害届が出たことで警視庁も捜査に着手したが、女性によるチケットの転売は捜査当局も確認できなかった。そのため、名誉棄損罪にあたる可能性が高いとして警察は任意で事情聴取。その後、杉田容疑者は逮捕されることとなった。この警視庁の動きを前出の小川氏はどの様に見ているのか。
「私人逮捕系YouTuberの動画を見てみると、駅の構内などで撮影された物も多い。また、捜査機関に属する人間ではないので、逮捕術なども習っていません。小競り合いとなり、周囲にいる高齢者や子どもとぶつかって転倒させ、大事故にもなりかねない。
警視庁としてもこれ以上は野放しにはできないとして、被害届が提出されたタイミングで捜査に着手したのでしょう。杉田容疑者も動画撮影時には、女性を取り押さえようとしてぶつかったりしています。逮捕後は名誉毀損に限らず、傷害罪や暴行罪でも罪に問われる可能性もあるでしょう」
私人逮捕という言葉を盾に「世直し」と称して世間の悪事を暴いてきた、と自称する杉田容疑者。今後、見つめ直すことになるのは自身の人生か――。
小川泰平
1961年愛媛県松山市生。神奈川県警での勤務を経て2009年12月に退職。現在はテレビ、雑誌、新聞などで活躍中。