■第1弾はクラファン目標金額30万円に対し1644万円を達成
しかし、21年8月末でドウシシャと『SANSUI』とのブランドライセンス契約期間が満了したことにより、『SANSUI』ブランド製品の生産は終了。21年9月からドウシシャでは冠に『ORION』を掲げて音響・映像製品を展開。22年10月には冒頭の『SCR-B3』につながる「俺たちの青春ラジカセ」プロジェクトを開始させている。
同社は開発費を募るべく、まずはインターネット上で出資者を募るクラウドファウンディングを開始。BluetoothやmicroSDカード、USBなど、現代のライフスタイルに対応したラジカセ製造への資金を募集した。すると、目標金額30万円に対し、1163人から1644万円という驚異的な支持を得る。それにより、23年1月にステレオラジオカセット『SCR-B7』(税込2万1,780円)を一般発売。
『SCR-B7』の売れ行きが大好評だったことを受け、「俺たちの青春ラジカセ」プロジェクトはますます活気付く。今年8月に始動した第2弾(『SCR-B3』)では、機能やデザインベースはそのままに、「本体の軽量化、コンパクト化」と「生活に馴染むデザイン」をテーマに開発。クラウドファンディングでは691人から638万円を集め、先の10月23日に一般販売された。
新商品の『SCR-B3』では、ラジカセの本分であるラジオやカセットテープを聴くことはもちろん、BluetoothやUSBメモリ、SDカードを使ってMP3フォーマットの音源を聴くこともできる。さらに今回は録音機能も充実。カセットテープだけでなくUSBメモリとSDカードのどちらにもラジオやカセットなどからMP3フォーマットで録音可能だ。
本体サイズはW317×H89×D114mm(突起物込)、重量は1.3kg。カラーは、第一弾となる『SCR-B7』ではブラックのみだったのが今回はホワイトも発売。ドウシシャ公式オンラインストアの価格は1万2980円と、『SCR-B7』の2万1780円より9000円ほど安い価格をとなっている。
見た目はレトロ、頭脳は最新というラジカセは、いかにして生まれたのか。ドウシシャのAVライティング商品部・金谷衛氏に話を聞くと、開発の裏には「自身」の思い出があった。