■趣里・草なぎ剛の見事なタッグ

「理由として大きいのが、朝ドラ定番の“ダメ男”がいないこと。主人公が追う夢の障害になるなど、物語を動かす重要な存在となる、朝ドラでは度々見られるキャラです。『ブギウギ』では、スズ子の父・梅吉(柳葉敏郎/62)のような頼りない男はいても、“ダメ男”はいないため、視聴者は安心して見られるのでしょう」(テレビ誌ライター)

 2022年度前期放送の『ちむどんどん』では、“ニーニー”こと賢秀(竜星涼/30)が、妹である主人公の暢子(黒島結菜/26)の足をひたすら引っ張り、“ダメ男”としてやり過ぎた。それが視聴者の不安を煽り続けていたため、落ち着いて見られる状態ではなかった。結果、視聴率的に惨敗となった。

「今後、スズ子は恋人ができても結婚はせず、1人で人生を切り開いていくことになります。このたくましさに加え、スズ子とタッグを組む羽鳥の存在が大きい。羽鳥役の草なぎが絶妙の演技を見せ、趣里との呼吸もバッチリ。何が起きていくのか見ていてワクワクさせます。この安心感とワクワク感が好調を実現しているのでしょう」(前同)

 ダメ男が身の回りにいない、珍しい朝ドラのパターンが成功の秘訣なのかもしれない。モデルとなった笠置シヅ子と服部良一は、戦後もタッグを組んで『東京ブギウギ』などヒットを連発した。趣里と草なぎのコンビも、戦後の芸能界を舞台に長く楽しめそうだ。