11月も下旬を迎え、各局の秋ドラマは早くも中盤を迎えた。夏ドラマは堺雅人(49)主演の超大型日曜劇場『VIVANT』(TBS系)を筆頭に話題作、人気作が多くあったが、今クールは非常に厳しい結果となっていて――。

「今年の秋ドラマは、夏ドラマに比べてほとんどが数字を落としてしまっています。同じ放送枠でもジャンルが全く違うこともあるし、当然一概には言えないのですが、テレビ界が最重要視している13~49歳のコア視聴率(関東地区/ビデオリサーチ調べ)は雲泥の差で……。特に前作『VIVANT』が圧倒的すぎた『日曜劇場』枠と、フジテレビを象徴する『月9』枠はコア視聴率が大きく落ち込んでしまっています」(制作会社関係者=以下同)

 今回は、11月2週――6日~12日にかけて放送された各局のドラマと、夏ドラマの「同じ話数」のコア視聴率を比較していく。

 まず、TBSの日曜劇場枠から。

・【10月期】鈴木亮平(40)主演『下剋上球児』の第5話(11月12日放送)…3.2%

・【7月期】堺雅人主演『VIVANT』の第5話(8月13日放送)…6.1%

※画像は『下剋上球児』の公式X(ツイッター)『@gekokujo_kyuji』より 

『下剋上球児』は、ノンフィクション作品『下剋上球児』(カンゼン)にインスピレーションを受けて制作された、高校野球を通して、現代社会の教育や地域、家族が抱える問題やさまざまな愛を描く、ドリームヒューマンエンターテインメント。

『VIVANT』は、自衛隊の影の諜報組織「別班」の一員である乃木憂助(堺)を主人公に描かれる、『半沢直樹』で演出を務めたTBSの福澤克雄氏が原作・監督を手掛けたオリジナル作品である。

「『VIVANT』は2か月半の大規模なモンゴルロケなど莫大な予算で制作された規格外の作品だったため、『下剋上球児』が比較されるのは酷な話ではあります。

 ただ、それを差し引いても『下剋上球児』は、本筋の野球ドラマと並行して描かれている“主人公・南雲の教員免許偽装”など、サスペンス要素が不評で数字を落としてしまっている、というところもありそうです。とにもかくにも、コア視聴率は半減してしまっていますね」

 次はフジテレビの月9ドラマを比較してみる。

・【10月期】二宮和也(40)、中谷美紀(47)、大沢たかお(55)主演『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』の第5話(11月6日放送)…1.9%

・【7月期】森七菜(21)、間宮祥太朗(29)主演『真夏のシンデレラ』の第5話(8月7日放送)…2.5%

『ONE DAY』は、「逃亡編」、「地方テレビ局編」、「レストラン編」それぞれの主人公がまったく別の物語を展開し、最後に収束していく群像劇。クリスマスの1日を、1クールかけて描く。

※画像は『ONE DAY〜聖夜のから騒ぎ〜』の公式X『@oneday_xmas_ado』より

『真夏のシンデレラ』は、真夏の湘南を舞台に「この夏一番ドキドキ・ワクワクする恋模様」を詰め込んだオリジナル脚本の男女8人の恋愛群像劇。森と間宮以外にも、神尾楓珠(24)、吉川愛(23)、萩原利久(24)、白濱亜嵐(29)、仁村紗和(28)、水上恒司(24)といった若者人気の高い美男美女の俳優が多く起用されていた。

「『真夏のシンデレラ』はシナリオの雑さに批判の声は多く、全話世帯視聴率も月9ワースト記録を更新する5.6%でしたが、振り切ったコア狙いのキャスティングが功を奏したのでしょう。コア視聴率は意外と悪くなかった。 

 対して『ONE DAY』は、頻繁に視点が切り替わる演出が“テンポが悪い”と言われているほか、群像劇や謎が謎を呼ぶ展開の構成が甘く、前クールの“国民的考察ドラマ”『VIVANT』と比較されてしまっているところもあります。

『ONE DAY』は世帯視聴率も『真夏のシンデレラ』以下の回が増え始めていて、このままだと月9ワースト記録を更新しかねない状況にありますね。二宮さん、中谷さん、大沢さんという大物を揃えてこの数字はマズすぎる。月9のブランドは完全に崩壊してしまったのかもしれませんね……」