■「オタクの社会貢献」を叩きたい人たちの正体

 中川氏は「基本的に“オタクと献血”がイシューになる際は、場外から物言いが付くことが多く、この時も同様でした」と述懐するが、なぜ自分が献血に行くわけでもなく、献血を強制されるわけでもないのにこうした反発が出るのか。

「基本的に心に余裕がない人ほど、人の善行に難癖をつけ始める。被災地支援なども、何もしない人ほど偽善だのなんだのと騒ぎます。

 とにかくオタクが社会貢献をすることに対して叩きたい意図しか感じられない。まぁ、オタクの側は毎度それほど怒るわけではなく”またかよw”的な感じですが、献血もせず文句を言うだけの人間より行動を起こす人のほうが立派であることは間違いない。今回の受章は本当にいい話だと思います」(前同)

 次回「コミックマーケット103」は、東京ビッグサイトにて23年12月30日~31日開催。献血応援イベントに関する情報はまだ発表されていないが、年末も献血に意気込む来場者は多そうだ。

中川淳一郎
1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わる。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など多数。最新刊は『日本をダサくした「空気」』(徳間書店)。