■「セオリーをいい意味で覆してくる」「アンチ予定調和な意表つく展開が面白い」声多数

 修羅場回避など、『セクシー田中さん』はラブコメの王道――悪く言えばテンプレの展開を、絶妙に外したり、序盤は“女の敵”を絵に描いたようなキャラだった“価値観が昭和”の笙野(毎熊)と、二股男の小西(前田)、サブキャラ寄りの進吾(川村)も回を追うごとに違った側面を見せることから、

《このドラマの男性陣のバリエーションの豊かさ、近年稀に見るレベルでは?どの人を見ていても面白い。田中さんと朱理の関係性ももちろんいいんだけど、回を追うごとに男性陣が掘り下げられていて、それは私の知らない世界なのでめちゃくちゃ面白い》
《普通なら抱きしめ慰めるところで「宣伝が足りないんです!」だったり、好きな女が好きだった男と鉢合わせしてバチバチなるかと思ったら共感し合ってサシ飲みしよって流れになったり、アンチ予定調和な意表つく展開が面白い》
《すごい、すごいこのドラマ、セオリーをいい意味で覆してくる…!覆した上でより良く感慨深い展開を見せてくれる……!!!田中さんが同僚にからかわれた時怒るんじゃなくて推し語りする朱里ちゃん、進吾にマウント取るんじゃなく逆に曝け出して仲良くなろうとする小西…神回でした》

 といった、シナリオを称賛する声が、SNSに多く寄せられているのだ。なお、第6話では物語に深くかかわらなかったが、安田顕(49)演じる「Sabalan」のマスター・三好圭人もメインキャラとして人気を博している。

「毎熊さん演じる笙野の気難しそうな表情や、小西のチャラいけどバカではなく、むしろ人一倍空気は読めるキャラに説得力を与える前田さん。そして本来の川村さんとビジュアルが180度違う進吾。田中さんと朱里との交流を通じて成長していく男性陣がもれなく魅力的で、観ていて好きになってくるんです。

 当初は、木南さんとめるるさんの分かりやすくてキャッチーなビジュアルで興味を持ってもらい、実際はしっかりした脚本で勝負。連ドラがヒットする理想的な流れを、『セクシー田中さん』は実現していますね」

 同ドラマのプロデューサー・大井章生氏はドラマ化発表の際に、原作コミックを「笑って読んでいたら、グッと心引き込まれる物語」と評していた。ドラマも多くの視聴者の心を引き込んでいる模様。23年秋ドラマのトップ『下克上球児』の背中は、すぐそこに見えている――。