King & Prince岸優太(27)主演の『すきすきワンワン!』(日本テレビ系)は、無職で無気力に生きている青年が、幼少の頃に飼っていた犬の生まれ変わりだという青年に“再会”し、愛し愛されることで成長していくファンタジーなストーリーだ。2話は、炬太郎(岸優太)が、元カノに借りたお金を返すまでの葛藤を描いた。情けない男なのになぜか同情してしまう岸の芝居がリアルすぎて、心がチクチクと痛んだ。

■情けない男を演じさせたら天下一品の岸優太

 天(浮所飛貴/20)と一緒に暮らし始めた炬太郎は、家の中がきれいに片づいていると落ち着かない。まるで自分の縄張りを荒らされたかのように苛立ち、きれいに畳まれた洗濯物をわざわざ散らかすという行為が、子どものようでかわいくも憎らしい。

 天がすることには反発したり横柄な態度をとる炬太郎だが、元カノの澪央(桜田ひより/20)には、どうも弱い。コソコソと澪央の勤務先を覗きに行く大胆さはあるのに、電話には出ない。ハッキリしない態度には理由があって、5万円を借りたまま返していないという驚きの事実と、澪央に未練があるため、どうしても素直になれないのだった。本当に好きな人だったら、困らせるようなことしなければいいのに、返金したら縁が切れてしまうと思う炬太郎が残念すぎる。

 一方で、催促しまくる澪央だが、炬太郎のことは本当に好きだったのだろう。そもそも、お金を返してほしいと何度も連絡していたのは、直接会って話をしたかったからではないか。本当にどうでもいい人だったら、とっくに振込先と振込期限を伝えているし、何度も電話をしたりはしない。

 炬太郎も澪央も、相手を想う気持ちはちゃんとあるのに、どう接していいか悩んでしまう。そう、お互い優しすぎるのだ。炬太郎は、走って追いかけたいぐらいの気持ちがあるならば、せめて本当に好きだったこと、お金を返したらご縁が切れてしまうのを恐れていたことを伝えておきたかった。

 だけど、それができないのが、今の炬太郎なのだ。炬太郎の心の痛みが矢となって、画面を突き抜け、ザクザクと突き刺さってくるように胸が痛くなる。澪央は、1話と2話のゲスト出演ということなので、このままお別れなのが切なすぎる。