各作品が終盤に向かっている秋ドラマ。そんな中、「日曜劇場」と「月9ドラマ」という、TBSとフジテレビの看板ドラマ2作が苦戦している。

 まず、鈴木亮平(40)主演の日曜劇場『下剋上球児』(TBS系)は、ある弱小高校野球部が甲子園に初出場するまでの軌跡を追った、同名ノンフィクションが原案のオリジナル物語。『アンナチュラル』『最愛』などのヒット作を生み出してきた、新井順子プロデューサーと塚原あゆ子監督が、日曜劇場で初タッグを組むことが話題になっていた。

 視聴率は2桁スタートで好調に見えたが、主人公・南雲(鈴木)の教員免許偽造が問題になった第3話で1桁台にダウン。11月26日放送の第7話の段階で全話平均は9.5%で、同枠としては期待外れな数字が続いていて、今年1月期『Get Ready!』の9.4%や、昨年10月期『アトムの童』の9.6%と並んでしまった(すべてビデオリサーチ調べ/関東地区)。

 ヒットメーカーの新井・塚原コンビが送り出した本作だが、ストーリーに大人の事情を盛り込みすぎ、08年に同局系でヒットした野球ドラマ『ROOKIES』のような、爽やかな汗と涙の青春モノを期待した視聴者が離れてしまったようだ。新井・塚原コンビだけに、さすがに不穏さをうまく演出しているが、それが逆に仇になり落ち着いて見られないのだろう。

 第7話でようやく南雲の処分が決まり、部員たちとの約束に応えて監督に復帰した。視聴者が野球と球児のストーリーに専念できそうな後半戦に期待したい。

 続いて、二宮和也(40)、中谷美紀(47)、大沢たかお(55)がトリプル主演する月9ドラマ『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』(フジテレビ系)は、まったく関わりを持たない3人の男女の、クリスマスイブの1日を1クールかけて描く物語。「逃亡編」「レストラン編」「地方テレビ局編」の3パートが同時進行していく。