■思惑が外れた大胆な仕掛け

 メインの3人のほか、佐藤浩市(62)や江口洋介(55)など、豪華キャストを揃えて話題になったが、全話平均視聴率は11月27日放送の第8話の段階で5.4%と大惨敗状態。同枠で7年ぶりの王道ラブストーリーとして期待されたものの、トンデモドラマの評価を受けて終わった、前期『真夏のシンデレラ』の5.6%を下回ってしまっている。

『ONE DAY』は1日をワンクール、3人それぞれのパートを分けたうえ、演出もシリアス、コメディ調に変えるという、トリッキーな作りは話題になった。しかし、それが物語の本筋の分かりにくさにつながっている。フジテレビが4月期改編発表会で打ち出した、「楽しくなければテレビじゃない」という約40年ぶりのスローガンを反映した作りだったが、その“楽しさ”は伝わらなかったうようだ。

 第8話で大きな秘密が明かされ、3人の関係がおぼろげながら明らかになってきた。意欲作『ONE DAY』には、どんなクライマックスが用意されているのか、期待したい。

 TBSとフジテレビの看板ドラマ枠である2作。力が入っていたのは分かるが、どうやら、その意気込みは空回りしてしまったようだ。(ドラマライター/ヤマカワ)