■「ありのままの姿」が人気のキーワード

 前出のトレンドアナリスト・太田氏によれば「飾らない自由さ」と「さらけ出す強さ」が、若者から支持を得るタレントに共通するキーワードだという。

「とうあさんは元々陸上をやっていたため、いわゆるガタイがいい。割れた腹筋をあらわにした服もよく着ていますが、“隠してかわいい格好をする”んじゃなくて、“自分の体を活かしながら好きな格好を上手に見せる”のが上手。自分の体を否定するのではなく肯定しよう、という意思が伺えます。

 また、ざっくばらんトークと性別にとらわれないファッションで人気といえば、原宿のアパレルブランドのショップスタッフからタレントになったぺえさん(31)がいますよね。

“ありのまま”が人気のぺえさんのYouTubeチャンネルは登録者数65.7万人。“人生最高の病み”というような弱音を自室でさらけ出したりするんです。そういう姿を晒すのは“カッコ悪い”のではなく、それも自分だと認める強さがある。

 自由で個性的なファッション、自分らしい生き方をしているように見える人が、自信のない一面を見せるのはインパクトがあるものです。どちらの自分も本当の自分、という裏表のない多面性が見る人を魅了し、また“自分は自分のままでいい”という肯定感を感じさせてくれるのでしょう」

※画像はぺえの公式インスタグラム『@peey』より

“盛る”ことはもとより、たやすく他人と自分を比べることが可能になったSNS時代。飾らないスタンスを等身大の言葉に乗せて届ける力が、若い世代の心に響くようだ。

太田まき子
新潟県出身。大学卒業後、広告会社及びマーケティング会社にて女性向け商材のプロモーション、ファッションカルチャーイベントの企画運営、エンタメ系の広報PRなどを担当。現在はフリーランスのPRとして、トレンドのマーケティングやリサーチを行う。