■焦る心理につけこむ“レスキュー商法”! 悪徳業者の実態とは
家の中でトコジラミの被害を発見したら、害虫駆除を行なう業者に相談するのが早道ということになるが、なかには前述のような悪質業者もいる。前出の想和ホールディングス・早川氏がその実態を明かす。
「私の会社では最近、“業者に駆除してもらったけどトコジラミの被害が止まらない”という相談が増えています。お客様に“前の業者は何の薬を使ったのか”と確認しても、ろくに見積もりや作業内容をもらっていない。
何を使ったのかあらためて前の業者に聞いてもらうと、トコジラミには効力のないダニ用の薬を撒いていたというケースが何度かありました。作業が適当すぎます。しかも、いずれも1回だけの駆除費用として30万円以上という高額な料金を請求している。
そもそも駆除をするとなると、よほどトコジラミの血糞など痕跡があって“これはトコジラミの仕業だ”と確定しない限り、まずは屋内を観察して生態確認をするんです。ろくに見積もりもせずいきなり駆除作業に入るのは絶対にない。しかも仮にトコジラミがいたとして、駆除作業が1回だけというのも不自然だし、30万円は高すぎる」(前同)
前述のように、卵を産み続けるトコジラミの駆除は一度で完全に取り切ることが難しく、2回から3回ほど作業をする必要がある。もちろん被害程度にもよるが、早川氏のところでは「1LDKの家で駆除作業は2回、2年保証で20万円~30万円ほど」とのこと。
それが一度だけでハイ終了、というのは明らかにずさんだが、そうした場合にお金は戻らないのか。
「いったん、国民生活センターや各自治体の消費者生活センターに連絡すること。その後は交渉次第です。もちろん、いない害虫を”いる”と言って作業を行ないお金を請求すれば詐欺になる一方で、何らかの害虫が“いる”ので、駆除作業を行なった場合は詐欺にはあたらない。だから詐欺と証明するのもなかなか難しく、結果、お金を捨てただけ。泣き寝入りしている人がほとんどだと思います。
そんな経験をした後に相談してくるお客さんは、一度失敗しているから疑心暗鬼になっていて、ものすごく根掘り葉掘り質問してきます。そういう感覚を先に持つようにすれば良いんですけどね……」(同)